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新生児模倣とミラーニューロン

ミラーニューロンというのは模倣能力と関わるという話も聞くのですが、今日取り上げる論文は、アカゲザルの新生児模倣について調べたものです。

生まれたばかりの赤ちゃんに舌を突き出したり、口を開けたりというのを見せると、赤ん坊がそのまま真似してくれるという現象を新生児模倣といいますが、

参考URL:

今日取り上げる論文は、これが従来言われていたようにチンパンジーやヒトのような比較的発達した霊長類のみならず、アカゲザルのようなサルにも同様の反応が見られることを示したものです。

ただこの反応が見られる期間は非常に限られており、生後1週間ほどで消失してしまうこと、

チンパンジーやヒトと比べて消失までの時期が短いのは、母離れをして自立できるようになる期間が2週間程度と非常に早いこと、またこの模倣反応が親密なコミュニケーションを行う上での基盤になっているのではないかということが述べられています。
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要旨

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「社会的な行動というものは、生後間もない時期から見られるようになるが、これは母と子の関係を発達させる上で重要なものと思われる。こういった、社会的な行動に関する能力、例えば大人の表情を真似るような能力は、ヒトや類人猿に限られるものと考えられてきた。本稿では、ヒトや類人猿以外の霊長類であるアカゲザルの新生児においても口や手のジェスチャーの模倣が見られることを示す。模倣動作として確認されたのは唇を舐める、舌を突き出す、口を開ける、手を開く、目を開ける、閉じるといったものである。出生第一日目にはモデルの口を開く動作によって、唇を舐めるといった動作が誘発された。このような模倣反応は出生後まもない時期にだけ見られており、時間的に非常に限局されたものであった。この唇を舐めるという動作が見られた理由として、この動作が個体間の親和的なコミュニケーションを取る上で重要なジェスチャーであることが考えられた。今回の研究によってヒトや類人猿以外の霊長類にも模倣動作が見られることが示された。こういった模倣動作が親和的なコミュニケーション機能の基盤になっていることが考えられた。」

参考URL:Neonatal imitation in rhesus macaques.


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