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「ミラーニューロンとデフォルトモードネットワークを通した自己:神経科学者は何を見つけ、今後何を見つけうるか」

人間が他の動物と異なる点として「自己」というものをしっかり持っていることがあるのではないかと思います。

添付の画像のようにサルも自己概念を持っているかもしれないけれど、人間のそれはとても入り組んでいます。

人間の自己は衣服や社会、思想のようなものまで「自己」として認識してしまう点で他の動物の「自己」と比べても特殊なものではないかと思います。

人間というのはこのように一生「自己」と付き合っていくのですが、この「自己」というのは生後どれくらいで認識するようになるのでしょうか。あるいは人以外の動物に「自己」概念があるかどうかをどうやって調べればよいのでしょうか。

生後間もない赤ちゃんは言葉を理解できないし、動物に至っては言うまでもなく「あなたに自己がありますか」という質問には答えようもない。こういった条件の中で自己を認識できているかを確認するテストとしてマークテストというものがあります。

これは相手に気づかえないようにこっそり顔に印をつけておき、鏡の前に連れて行った時にそれに気づくかどうかで確かめる方法です。もし鏡に写った姿が自分であると認識できて、そこに普段と違う何かがくっついていると認識できるのであれば、それが赤ちゃんにしろおさるさんにしろ「自己」概念を持っていると解釈できるでしょう。

今日取り上げる論文はこの自己認識と脳の関係について述べたものです。

脳はいろんなシステムが組み合わさってできているのですが、その中でも自己認識に重要なシステムが2つあり、この2つが相互作用的に働くことで自己というものが立ち上がってくるのではないかということが述べられています。

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【要旨】
自己という言葉をスタンフォード百科事典の哲学編で調べると1187項目が上がってくるように自己の定義というのは容易ではない。我々の知識が広がれば広がるほど自己に関する疑問もまた広く深くなるというのが現状である。この事故という概念はまた時代によって異なり、これは時代の精神を反映するものであると思われる。さらに西洋と東洋でも自己の定義は異なり、西洋では独立した存在として定義されるのに対し東洋では相互依存的なつながりの中で定義される傾向がある。近年の神経画像研究手法の発達に伴い”自己”についての理解が深まってきたが、これを説明するものとしてミラーニューロンシステムとデフォルトモードネットワークがあり、本稿ではこの2つのシステムと”自己”の関わりについて説明を行う。

参考URL :Self through the Mirror (Neurons) and Default Mode Network: What Neuroscientists Found and What Can Still be Found There

この2つのシステムというのはミラーニューロンシステムとデフォルトモードネットワークというもので

前者はモノマネシステムのようなもので視覚情報を運動情報に変換するような働きがあり、これがあるゆえ見たものを真似するということができるのですが

後者は近年発見されたシステムで「わたし」感覚全般に関わっているとされています。

この2つのシステムが協調して働くことで、鏡に写った姿を「自己」と認識できると思うのですが
化粧によって自己認識に関わる脳活動というのはどれくらい変わるのだろうなどと考えました。

認知症のおばあちゃんがお出かけしておめかしすると割合しゃんとするという話を聞いたり

おしゃれな人はボケないという話を聞くと

身繕いというのは自己認識に関わる脳のシステムに少なからず影響するんじゃないかと妄想するのですがどうなんでしょう(´・ω・`)

鬱になると髭や髪型にとても無頓着になったり

あるいは鬱が重い時には意識して小奇麗にしていると少し気分が楽になるけど

鬱が自己認識に関わるデフォルトモードネットワークの変性と関係があるという話も聞くので、やはり何かがどうかかなと思ったりします。

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