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知覚と記憶、認識の関係とは?



いろんな文献を読んでいると知覚、記憶、認識は別々の要素のような気もしてくるのですが、この著者の知覚表象システムの考え方だとそうでもないようです。

タイピングを覚える過程を例に取れば、まずタイプすることで、その時々の身体感覚情報が断片的に脳に入ってきては蓄えられていきます。断片的な運動感覚的な記憶がいくつか集まって、ある単語をタイプしている時の動きを脳内で模擬的に行なう一種のシミュレーターになります。断片的な身体記憶の集合がシミュレーター、つまりは脳内模擬訓練装置になります。

ただ断片的な身体記憶を適当につなげればいいというわけではなく、それがうまく機能するように、枠組み(flame)にそって、組み立てられます。

こうやって脳内で作られたシミュレーターはそれこそいろんな状態をシミュレーションするマシンとなります。脳内のシミュレーションにそって身体は動き、さらに新たな身体記憶がストックされ、さらにシミュレーターはアップデートされます。この身体記憶≒知覚表象は「言葉」と結びついていて、この言葉もシミュレーションの働きに大きく作用します。

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【要旨】

「第二節では知覚表象システムの基本的な概念となる6つの内容について説明する。:知覚表象は脳の運動感覚野でおこる神経学的な表象である(2-1)。その表象によって知覚経験に基づいた図式的な要素が現される。経験全体を現すような表象の仕方ではない(2-2)。この知覚表象は多感覚的な要素からなっており、体性感覚や固有受容覚、内省的なものにまたがって発生する(2-3)。関連した表象はひとつのシミュレーターとしてまとめられ、そのシミュレーターによって数限りないシミュレーションを作り上げられる(2-4)。枠組み(flame)によって知覚表象はシミュレーターの中に組織化されて位置づけられる(2-5)。シミュレーターと関連している言葉は、その言語を通じてシミュレーションの構築を調整する。」

参考URL:Perceptual symbol systems.

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