
「談話とジェスチャーは同じコミュニケーションシステムを共有している」
日本人はそれほどでもないのですが、外国に行くとイタリア人やスペイン人、ラテン系の人は話しながらよく手も動かすなあと思うことがあります。
別にラテン系の人でなくても子供がこんな大きい物を見たんだという時には両手を大きく広げながら説明するようなこともあると思うのですが、このジェスチャーと言葉というのは脳のどこかで結びついているのでしょうか。
今日取り上げる論文はこのジェスチャーと言葉の関係について詳しく調べたものです。
詳細は要旨に記しますがやはりジェスチャーと言葉というのは密接なつながりがあり、ジェスチャーしながら話をすると声のトーンも変わってくることが示されています。
言い方を変えるとジェスチャーというのは話し言葉をパワーアップさせるターボのような働きがあるということで、ラテン系の人たちがジェスチャーを伴った会話を行うのもそれなりの理由があるのかなと思いました。
ポイント
①ある内容を示すジェスチャー(こんにちは、だめ、とまれ)を行っている時の手の運動軌跡
②同じ内容を示す言葉(こんにちは、だめ、とまれ)を話している時の音声周波数
③同じ内容を示す言葉とジェスチャーを同時に行っている時の手の運動軌跡と音声周波数
④関係のない言葉を話しながらのジェスチャーを行っている時の手の運動軌跡の4条件について比較検討を行った。
結果、ただ言葉を話している時よりもジェスチャーを伴うときのほうがより強度の高い音声周波数になること、しかしジェスチャーに関しては言葉を伴わせることで運動軌跡が小さくなることが示された。
参考URL :Speech and gesture share the same communication system.
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補足コメント
これとは逆に話し言葉というのはジェスチャーの動きを抑制するような働きがあるようです。いずれにしても言葉とジェスチャーというのは関連があるようです。
例によってしばらくジェスチャーがらみの論文をしつこく取り上げていきますがよろしくお願いします(-_-;)
この実験は直接脳を覗いたわけではないのですが上手に因果関係を説明しておりいろんな研究方法があるんだなあと思いました。