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コンソリデーション:記憶の痕跡と圧密化

普段生活していると、言った言わないの水掛け論を聞くことがありますが、やはり人間の記憶というのはあまり当てにならないようです。人間の脳は実際にあったことを自分の都合がいいように、オートマチックに加筆修正してくれるものらしいです。正しい記憶なぞない、あるのは修正加工された記憶だけだ、そう考えると人生というのは、それ自体ひとつのフィクションかなというような気もしてきます。今日取り上げる論文は記憶の圧密化作用について述べたものです。この論文のキーワードであるconsolidationという言葉にピタッと張り付く日本語がなくて、やむを得ず圧密化という言葉を当ててみたのですが、自分の中ではスライムが合体してキングスライムになるような感じが、con-solid-ationかなと思うのですが、もしもっと良い日本語があったら教えてもらえたらと思います。よろしくです。

【要旨】
「一度獲得された記憶は、その後徐々に固定化されて長期記憶へと移行する。これを記憶の圧密化という。この圧密化という言葉は二通りの意味で使われており、一つは数分から数時間でなされるシナプスレベルでの変化、さらにもう一つは海馬でなされた記憶が、時間を経て、海馬非依存性に定着する変化である。従来の説明ではこの記憶の圧密化は、一度始まってそれが終了すれば、変化のないものと捉えられていたが、近年では、記憶は一度圧密化されるが、その後も時間をかけて変化し続けることが言われている。この論文では記憶の痕跡、成熟化、回復性、修正可能性についての基本的な問題について説明する。」

参考URL:The neurobiology of consolidations, or, how stable is the engram?

コメント

何かのタイムラインで見て即買いして即読みしているのですが、素晴らしい本です。関係者、当事者の方に激推しです。

免疫からみなので以下のものも(はたらく細胞)参考になります。興味のある方はどうぞ。

 

 

 

 

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