なぜあのサルは股間を隠しているのか?
上司の目が気にならない人というのは、割合としては大分少ないのではないかと思います。
上司でなけれは同僚でも患者でも良い。他人の目というのは常に自分の欲望にブレーキをかけるのではないかと思います。
「誰も見ていなかったら、誰にも知られなかったら何をしますか?」で本当の欲望が垣間見れるとも言いますが、社会に生きる人間は多からず少なからず、他者の視線によって行動を制御されている部分があるのではないかと思います。
他者の目を気にするのはなにもヒトの専売特許ではなく、チンパンジーでも同様ではないかということが言われてきたようです(若いオスが勃起したペニスをボスザルの前では隠し、自分が他のメスに発情していることをボスザルに悟られないようにするだとか)。
今日取り上げる論文は、サルが他者の視線を意識しているのかについて実験を行ったものです。
実験ではボスザルと部下サルの二匹を対峙させて、部下サルからはエサがあるのが見えるけれどもボスザルからはエサがあるのが見えない状況、あるいは両者ともに見える状況など、いろいろな設定で部下サルの行動を見たものです。
実験の結果、部下サルはやはりボスザルがエサが見えているか、認知できているかの判断がある程度できているような行動パターン(ボスザルの視界にエサが入っていないときにはエサを取りに行くけれど、そうでなければお預けで我慢しているなど)を示すことが述べられています。
【要旨】
「動物が他の個体の心をどれだけ理解しているかについては、近年の研究によって大きな見直しを迫られている。特にチンパンジーは他者が見ているのか、見ていないのか、あるいは直近の時間に見ていたのか、見ていないのか、また他者の目標志向的な行動について理解しているように思われる。彼らはヒトと同様の心の理論は持っていないかもしれない。しかしヒトとサルが社会的認知においてどれほど類似していてどれほど相違しているかについての調査が待たれる。」
参考URL:Chimpanzees understand psychological states - the question is which ones and to what extent.
コメント
そんなチンパンジーの行動から、「チンパンジーはココロを理解している」と解釈もできるのだろうけど
でも行動とココロというのは別物なんじゃないだろうか。
一定のアルゴリズムに従って動くロボットペットやあるいは最近流行りのロボット掃除機でもよい。
どんなにヒトらしく動いたとしてもやはりロボットにはココロはないだろう。
さらに考えれば、自分以外の人間がココロを持っているというのも自分の想像でしかなく、自分以外の人間はココロを持たないアルゴリズム駆動のゾンビだといっても理論上おかしくないわけで
疑って疑って残るのは自分があるというこの自分の心だけれども
疑い深い私はこれもほんとうにあるのかいななどと最近思うのですが
ココロが何なのかよくわかりません。でもモノとか行動以外のなんかだとは思います。
「大切なものは目に見えないんだよ」という星の王子さまの言葉がリフレインします(-_-;)
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