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視覚におけるフィードフォワード制御とは?

視覚処理というのはいろんな経路があるそうです。

必ずしも網膜→視床→一次視覚野→二次視覚野→・・・→高次視覚野と下から上に順々で情報が上がっていくわけではない。

網膜→扁桃体→高次視覚野のような一次視覚野をすっ飛ばすような経路もあれば

高次視覚野→低次視覚野のような、上から下に戻っていくような逆行的な回路もあり、いろいろと錯綜しているようです。

ヘビや蜘蛛、苦手な人や恐ろしい顔といった情動的な情報というのはいち早く認知されやすいということですが、こういったことには網膜→扁桃体→高次視覚野のようなショートカット経路が一役買っていると言われています。

いち早く高次視覚野にたどり着いた情動的な情報はそこにとどまるだけでなく、

逆行的な経路、つまり高次視覚野→低次視覚野の経路と結びついて逆行して流れていき、関係する視覚領域全体の活動を高める経路もあるそうです。

今日取り上げる論文は情動的な視覚刺激を見せた時の脳活動を調べたものですが、一次視覚野の活動に先立ち、扁桃体、高次視覚野の活動が増大していることから、これらの領域が先回って活動し、低次の視覚領域にフィードバックをかけ、活動を調整しているのではないかということが述べられています。



【要旨】

「ヒトが情動的な視覚情報を処理するにあたって、腹側視覚システムに扁桃体を介した再入荷色が存在する情報処理モデルが提示されている。今回機能的MRIを使用した実験を行い情動的な知覚を行っている時の扁桃体と下側頭葉視覚領域の活動について検討を行った。実験の結果、情動的な視覚情報を提示した時には扁桃体と下側頭葉視覚領域は線状体外視覚領域に約1秒先だって活動していることが示された。それに対して一次視覚野はいずれの条件の時も同様の活動を示していた。この結果は視覚処理における吻側下側頭葉の再入的な処理モデルに合致するものであった。」

参考URL:The timing of emotional discrimination in human amygdala and ventral visual cortex.

コメント

その昔、今はなくなった福岡は博多近郊のリハビリの学校に通っていたのだけれども、

東京に遜色ないくらい洒落た街だったのを覚えています。

音楽にしても何にしても流行というのは東京→大阪→福岡というふうに流れていくのではなく

あいだの大阪をすっ飛ばして、福岡に流れていき、そこから逆流して大阪に入っていくというお話を聞いたことがあります。

なんだか先に入った高次視覚野の情報が低次視覚野に逆行性に戻っていく視覚の再帰モデルとも似ているなあなどと思いました。

長野に住む今となっては、とれとれのお魚、懐かしいです(T_T)

 

 

 

 

 

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