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扁桃体と紡錘状回の関係とは?

今日取り上げる論文は扁桃体と紡錘状回の関係について調べたものです。

扁桃体というのは脅威刺激に対して反応するような領域だそうです。

また紡錘状回というのは表情認知に関わる領域だそうです。

なので以下に示すような恐怖表情に対しては扁桃体と紡錘状回というのは共に働くことが知られているようです。

上図参考URL:

ただ日常生活する上で、いちいち恐怖表情に反応していたら大変なので、こういった反応はトップダウン的な注意によって抑えられるとも言われています。

今日取り上げる論文では、この扁桃体と紡錘状回の活動がトップダウン的な注意を必要とする条件下でどの程度影響を受けるかについて調べたものです。

結論を述べると

①左扁桃体の活動は認知的な注意の影響を受けない。認知的な注意が必要な場面でも、不必要な場面でも等しく恐怖表情に対して反応する。

②右紡錘状回の活動は認知的な注意とは関係なく、恐怖表情に対して反応の増加が見られる。

ということになるのだと思います。

つまり何かに注意してようがしていまいが、おそろしい視覚刺激というものを扁桃体は取り漏らさずキャッチし、その情報を表情認知に関わる紡錘状回に送って反応を高める、ということだと思います。

【要旨】

「恐怖表情の検出が空間的注意によって影響されるかについて、事象関連機能的MRIを使用して検討を行った。被験者は恐怖表情と普通の表情、家の写真の組み合わせを様々な条件のもと提示され、恐怖刺激の検出に関わる扁桃体と表情情報の処理に関わる紡錘状回の活動が空間的注意によってどのような影響を受けるか調べた。結果、紡錘状回の活動は空間的注意の影響を強く受けることが認められた。しかし左扁桃体の活動には空間的注意の影響は認められなかった。また右紡錘状回の活動は恐怖表情に強く影響されたが、この反応の仕方は空間的注意とは独立して見られた。これらの結果から、扁桃体は脅威刺激に空間的注意とは独立して働き、表情認知に関わる紡錘状回に強い影響を与えることが分かった。」

参考URL:Effects of attention and emotion on face processing in the human brain: an event-related fMRI study.

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コメント

扁桃体のことがよくわからない

例えば不安障害の人は扁桃体の活動が過剰だという。

あるいは社会的ネットワークが広い人というのは、そうでない人と比べて扁桃体の体積が大きいともいわれる

生後6ヶ月のわが子は、だれに対してもニコニコしてやたらと愛想が良い。

こういうのは扁桃体の活動が低いからニコニコするのか、それともおいおい幅広い人付き合いが出来るような脳、つまり平均より大きい扁桃体を持っているのかどっちなんだろうと考えたりする。

無論、大きさ=活動の大きさではないだろうとは思うけれども。

そんなこんなでいろいろ考えたり検索していたら、アントニオ・ダマシオのソマティック・マーカー仮説というものを見つけた。

これは人間の判断には情動的な要素が多分に関与するというもので

何かを選ぶ時というのは膨大な情報の中から過去の体験とそれにタグ付けされた情動的な情報をもとに2,3の選択しに絞り込むことで最適解を見つけるとかそんなことだとおもうのだけれども

これはもう少し簡単に言うと、なんとなくこっち、とか多分これでしょ、というそんな判断の仕方で、人間関係を取り持つときなんか、場にあった対処の仕方とか、つまりコミュニケーションスキルに大きく絡んで来るような気がする。

社会的ネットワークが広い人が扁桃体の体積が優位に大きいというのは、扁桃体も含めた情動処理システムが発達しているということなんだろうか

あるいは不安障害の人が扁桃体が過剰に働くというのは、扁桃体だけが過剰に働いて情動処理システム全体で見ればバランスが崩れているということなんだろうか

機能不全家庭、お父さんがアル中だったり、家庭内暴力、喧嘩が日常的な過程で育ったこどもはアダルトチルドレンなんて呼ばれて

いろんな人がいるとは思うけれども、こういう人というのは案外人の表情を汲むのに特異的に優れているんじゃないかと思うことがある。

人心を扱うに長けた水商売のお姉さんなんかは、わりにアダルトチルドレンな人が多いんじゃないかと思ったりもする。

社会性って何なんだろうと思います(´・ω・`)

 

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