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祈りの効用

祈りというのは、おそらく随分長い歴史を持っていて、現在でも文化や地域を問わず行われているものではありますが、

はたして祈りというのは本当に効果があるのでしょうか?

今回取り上げる論文は、祈りの健康上の効果について調べた研究を取りまとめて調べ直した総説論文になります。

Private prayer as a suitable intervention for hospitalised patients: a critical review of the literature

この論文では、祈りと健康上の効果について調べた研究20本以上について詳細に検討しています。

この論文が書かれた時点(2008年)でわかったこととして、

・祈りは全体的に抑うつ感と不安感を軽減させる傾向がある。

・祈りの頻度と幸福感には相関が見られる。

・しかしながらこの結果は、キリスト教への信仰が厚い対象者に限られていた。

・交絡因子(教会によく通っている人は社会的ネットワークも良好である)の関係してる可能性がある。

・祈りを行う人は、社会的弱者(高齢者、低学歴者、慢性疾患患者、貧困者)が多かった。

・祈りによって、エンパワーメント(元気が出ること)がなされ、肯定的な結果につながった可能性がある

ということが述べられています。

心理的なつながりがもたらされることで、免疫系に良い影響が引き起こされるということもあるのかなと思いました。

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