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視覚処理はどのような時間軸に沿って進むのか?

人の心を動かすのは快-不快といった内容ではない。

インパクトこそが人の心を動かすのではないかというお話をしたのですが、

今日取り上げる論文は、その点についてもう少し深堀りしたものです。

言葉の力、あるいは映像が持つ力というのは単純に、快-不快といった内容に関わる要素だけではない。

快-不快に加えてインパクト大-インパクト小 といった驚きに関わる要素もある、というお話をしたと思うのですが

今日取り上げる論文は内容とインパクト、この2つの要素がそれぞれ脳の活動をどう変えるかについて、過去40年の事象関連電位研究をまとめて調べたものです。

視覚処理というのは一瞬で起こるのではなくて、情報が脳の中を伝わっていくゆえ、ある時間軸に沿って処理されるもののようです。

それによると

視覚処理初期:刺激提示後 0.1秒前後: 一次視覚野

視覚処理中期:刺激提示後 0.2秒前後: 高次視覚野→内容の判別

視覚処理後期:刺激提示後 0.3秒位上: 記憶領域→記憶定着

の時間軸にそって視覚処理が進んでいくそうです。

この分類でいくと、内容(快-不快)情報は初期と中期、つまり一次視覚野と高次視覚野の反応を高める傾向があるそうです。

これに対してインパクトは中期と後期の活動を高める傾向があるようです。つまり高次視覚野と記憶領域の活動を高める傾向があるようです。

これでいけば人の心を動かしたい、あるいは記憶に留めたいと思うのなら、内容だけでなく、どれだけ驚かせられるかといった演出的な要素にも気を使わなければいけないのかなあと思いました。

要旨

「過去40年にわたって、情動的な画像の処理がどのようになされるかについて事象関連電位を用いた研究がなされてきた。また、この情動的な画像というのは様々な内容特性(快-不快)や精神喚起機能(高い-低い)に分けることが出来ると考えられている。情動的な画像を提示することで事象関連電位に変化が生じるが、これは振幅を変動させることはあっても経過反応の長さにはほとんど影響しないことが知られている。情動的な画像の要素の中でも精神換気機能は視覚反応の後期の活動を高め、内容特性(快-不快)は初期から中期の活動を高める傾向がある。また情動的な画像は不快な対象への注意反応と結びついて300ミリ秒未満の反応を変化させる。また興味を喚起する精神喚起機能の高い画像は300ミリ秒以上の反応を高め、記憶処理の変化に関係していることが考えられる。」

参考URL:Affective picture processing: an integrative review of ERP findings.




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コメント

驚きの力というのは大事なんじゃないかと思う。

驚き力というか、驚きの閾値の低さというか、どうでもいいことにいちいち驚ける力というのは、大事なんじゃないかと思う。

子供が驚異的な速さで学習できるのも、この「驚き力」によるものかと思ったり

歳をとって成長、変化に乏しくなるのも、この驚き力の変化と関係しているのかと思ったり

当たり前を当たり前だと思えない心持ちを持つ続けられたらなと思います。

そう考えると、感謝するいうことも驚き力が必要なのかななどと思いました。

驚く力を大事にしたいと思います。

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