何もしない時活動する脳領域とは?
脳の左半球と右半球がピタッとくっついているあたり、つまり脳の内側面にはデフォルトモードネットワークと呼ばれる領域があるそうです。
デフォルトというのは、要するにまっさらな状態、何もしていない状態の脳なのですが、なにもしないと言っても、このデフォルトモードネットワークのあたりはぐつぐつ活動しているそうです。
つまり脳というのは何もしていない状態、これは体を横にして目をつぶっているだけでもぐつぐつ活動しているということなのですが、その中心になるが、脳の内側面にあるデフォルトモードネットワークと呼ばれる領域になるそうです。
この領域の面白いところは見たり聞いたり動いたりという場面ではかえって脳活動が低下するということです。何もしていない時に限ってグツグツ活動している、そんな領域のようです。
今日取り上げる論文はデフォルトモードネットワークが取り上げられるよりだいぶ前のものですが、視覚探索課題に共通して活動量が低下する領域としてデフォルトモードネットワークを含む領域が示されています。
過去に行われた視覚探索に関するPETを使用した実験結果を再度解析を行い、視覚探索に関わる様々な活動に共通する脳活動がないかについて調査を行った。結果、ブロードマン17野を含む初期視覚野に共通して血流量の増加が見られた。この領域の活動は視覚探索活動に選択的に働くものであると考えられた。また血流量の低下は聴覚野と体性感覚野に見られたが、皮質下の入力抑制は反映するものではなかった。感覚野以外では視床と小脳に視覚探索課題に一貫して血流量の増大が認められた。しかしながら多くの皮質領域において様々な課題に共通した血流低下が認められた。
参考URL:Searching for activations that generalize over tasks.
コメント
かつこの領域は「自己」というものとも関連するとも言われています。
何がを夢中になってやっている時というのは我を忘れる、忘我の状態とも言われますが、こういった時にはデフォルトモードネットワークのあたりの活動が低下しているのかもしれなく
あるいは仕事というのは暇すぎても暇疲れというものがありますが、これはデフォルトモードネットワークが何もしていない状態でぐつぐつ活動するからかなと思ったりしました。
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