「視覚的な自己認識に関わる皮質ネットワーク」
朝起きてから夜寝るまで、人の目というのは様々なものを見分けますが、ヒトの顔というのはとりわけ目を引く情報なのではないかと思います。
そのヒトの顔の中でも自分の顔というのは特別で、何かにつけてポンと目に飛び込んでくると思うのですが、これはいったい脳の中でどんなふうに扱われているのでしょうか。
今日取り上げる論文は自分の顔の認識に関わる脳活動について調べたものです。
結論を述べると自分の顔を認識するためには単一の領域だけでなく、脳のいろんな領域が働いていていること、また自分の顔というのは企業のロゴマークのようにある種のシンボル、記号として認識されていることが述べられています。
自分の顔を売り出すという言葉がありますが、これは自分の顔を何らかの意味を持ったシンボルとして他者に認知させるという意味合いもあるのかなと思いました。
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【要旨】
本稿は視覚的な自己認識に関わる近年の研究のレビューを行う。視覚的自己認識がどのようなものであるかについては行動学的立場や神経生理学的立場から様々な研究が行われてきた。しかしながらその神経基盤がどのようなものであるかについては統一された見解が持たれていない。近年の画像研究からは様々な皮質領域が視覚認識に働きているという点では意見の一致を見ている。視覚的な自己認識に関わる領域として左後頭側頭葉、右頭頂葉および前頭葉が想定されるが、これらの領域はそれぞれ、象徴的情報、視空間的情報、概念的情報の処理に関係していることを説明する。
参考URL:Cortical Networks for Visual Self-Recognition
するにヒトの顔というのはアディダスやグッチのロゴマークのように、何かしらの記号、シンボルとして認知されているということで
その傾向が自分の顔ではとりわけ強いということではないかと思います。
少し詳しい話を書くと
自分の顔を認識するにあたって活動の変化が見られる領域として左後頭側頭葉、右頭頂葉、右前頭葉があり
左後頭側頭葉はシンボル的な情報処理、右頭頂葉は空間情報処理、右前頭葉は概念処理に関わっているのではないかということです。
昨今セルフブランディングという言葉を聞きますが
その中でも顔情報というのは他者の認識に働きかける上で大事なんだろうなと思いました。