「失行症患者における手と物品の相互関係における内部モデルの障害」
脳卒中になると手足が麻痺したり言葉が出なくなったりしますがその他にもいろいろな症状が出てきます。
その中の一つに失行(apraxia)と呼ばれるものがあり、これは別に麻痺して手足が動かないわけではないのにある動作が上手にできなくなるような症状です。
動画を見ていただければわかると思うのですが、服を着ようとしてもどうやって手を入れればいいのか袖を通したらいいのかが分からない。 ブラシを見るとそれが髪をとかすということは分かるのだけれども、実際にそれを使うことができない、そういった症状が失行症状と呼ばれるものです。
今日取り上げる論文は失行症状について調べたものですが結論を述べると
①失行症状は運動するにあたってその元となる運動イメージを喚起できないような状態である。
②頭頂葉(左頭頂間溝)の障害で失行症状が引き起こされる
ということが述べられています。
ポイント
失行患者における運動イメージは
(a)運動要素と強い結びつきがあるが、この運動要素は対象物品の視覚的、触覚的、体性感覚的情報からは独立しており、
(b)運動に関与する効果器や対象物品からのフィードバックは少なく、
(c)運動計画システムにおいて障害されている。
との仮説のもと実験を行った。
実験では失行症状を呈した8名の前頭-頭頂部脳卒中患者、失行症のない5名の脳卒中患者および6名の健常者を対象に運動イメージについての評価が行われ、結果、上記の予測は妥当であることが示された。
参考URL:Deficient internal models for planning hand-object interactions in apraxia.
補足コメント
昔、幾つかの重複した精神疾患にかかった事がありましたが
失行障害と思われる症状が たしかにありました
今回のような(脳血管障害)とは違いますが
症状は酷似していると思います
色々、勉強になります
ありがとうございます。