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「談話とジェスチャーの結びつけにおける記憶の役割:連続的な記憶遂行における皮質と海馬の活動」

近年ネットをめくればいろんなスピーチ動画が流れています。

スピーチの名手と言われている人の言葉の内容というのは不思議に記憶に残りますが、こういったスピーチというのはどういった特徴があるのでしょうか。

今日取り上げる論文はスピーチ(談話)とジェスチャーの関係について記憶との関係から探ったものです。

結論を述べるとスピーチとそれに適合するジェスチャーを一緒になされるのを見た場合には脳の中でも言語処理や記憶処理に関わる活動が高くなり記憶に残りやすくなることが示されています。

ジェスチャーだけがスピーチの印象を決める全部だとは思いませんが、それにしてもヒトの記憶に残すというのは言葉以外のモダリティが大事なんだろうなと思いました。

 

ポイント

本研究では談話とジェスチャーの情報が脳の中でどのようにして結び付けられるかについて研究を行った。

①談話の内容に伴うジェスチャーを行っているのを見た時

②談話の内容とは関係のないジェスチャーを行っているのを見た時

③談話だけでジェスチャーを伴わない様子を見た時

の3条件で機能的MRI使用して脳活動の測定を行った。

結果、被験者は談話の内容と同じ意味のジェスチャーを行った時記憶の再生課題が良好であり、それに伴う領域として左下前頭回、運動前野(ブロードマン6野)、中側頭回、海馬の活動増加が認められ、談話情報とジェスチャー情報の統合は左半球優位の活動であることが考えられた。

参考URL:Memory effects of speech and gesture binding: cortical and hippocampal activation in relation to subsequent memory performance.

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