トップダウンとボトムアップの衝突点としての認知
ベートーベンの何かの交響曲の中でダダダダーンというようなフレーズがあったと思うのですが、大概の人はダダダまで聞くと、無意識のうちに続きのダーンを頭の中で作り上げてるんじゃないかと思います。
車を運転していると、視界を流れていく景色の中から1秒後の景色を無意識的に頭の中に紡いでいるのではないかと思います。
この知覚表象システムの考え方からいうと、今までの身体記憶を基に組み立てられた脳内シミュレーション(トップダウン)と実際の外界情報(ボトムアップ)がぶつかって組み合わさるところが、知覚であり、認知であるということらしいです。
【要旨】
「第三節では第二節で述べた知覚表象システムの6つの核になる属性を基に、さらに4つの属性について説明する。より多くのシミュレーションを作り上げるために、身体記憶を元に作られたシミュレーターは互いに結合しあうし、また再帰的に作動する(3-1)。またこのシミュレーターは具体的な対象、個物に結び付けられて、ある種の命題を構成する(3-2)。というのも知覚表象は運動感覚システムのなかにあるものなので身体的に形象化されたものだからである。目に見えない何らかの機能的なものではない(3-3)。そして身体的、あるいは内省的な知覚表象が組み合わさった複雑なシミュレーションを通じて、人は抽象的な概念を表象することが出来る(3-4)。」
参考URL:Perceptual symbol systems.