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今日取り上げる論文は、注意とはどのようなものかについて考察したものです。

今日の論文は内容も文章も難しく、自信を持って言い切れないのですが、おそらく書かれている内容のポイントは

① 注意は特定のモダリティ(視覚、聴覚、触覚等)とは独立したシステムである
② 注意には容量があり、その限られた容量を振り分けるようなシステムである。
③ 注意には期待というような情動的要素が関係する。

これは、例えば今日の晩御飯、絶対カレーにしようと考えて街を歩いていれば、街角の洋食屋からカレーの匂いがすればピピっと反応するし、スーパーを歩けば、カレーの材料になりそうなのに目が向いてしまうという感じで、

注意というのは特定のモダリティとは独立していて(①)、

かつカレーのことを考えている時は、お寿司や天ぷらのことにはあんまり気が向かず(②)、

毎日カレーだったらそんなに注意も鋭敏にならない(③?)というようなことなのかなと思います。
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【要旨】

「何らかの信号を検知しようとすれば、その信号がどのようなシステムのもとでなされているかについて知る必要がある。その信号が視野のどのあたりに出現するか事前に知っていれば、信号の検出速度は速くなる。このような信号の検出速度の変化は中央注意システムによって注意の方向付けがなされ視覚入力が鋭敏になったためであると考えられる。
もちろんこのような信号検出速度の変化を、事前に信号の場所を予測できたためと説明することも出来る。しかしこのような考え方は、期待というものがパフォーマンスに与える影響を無視している。期待がパフォーマンスの向上を促す第一の根拠として、繰り返し同じ場所に信号を提示させそれを検出するブロックデザインの実験ではこのような信号検出速度の変化は見られないことがあげられる。第二に、事前に提示される信号の場所を示すことで反応速度の向上が見られるが、提示される信号の形状を示しても反応速度の向上が見られないことがあげられる。第三に反応速度が向上しても正確性が低下しないことがあげられる。第四に視野の異なる領域に複数の信号を示すような実験の場合、事前に場所を示しても反応速度の向上が見られないことがあげられる。上記の現象は、注意というものは容量が限定されたものであると考えれば、理解できるものと考えられる。発光体を検出する課題においては網膜の反応は発光体がその中心窩に現れても、その辺縁に現れても大きな変化は見られない。このようなことから注意システムと資格システムの関係についても考察が可能であると考えられる。」

参考URL:Attention and the detection of signals.

コメント
昔から、あんた、ぼーっとしてて何考えてるかわかんないといわれることがありますが

別にぼーっとしているわけでなく、全方位に注意を全力で向けているだけで、結果としてぼーっとしているように見えるだけなのです。

あるいは周りが何も見えていない、といわれることもありますが、それはそのとりで、一つのことに全力で注意しているので、結果として周りが見えないのです。
 最近では、仕事に支障がない程度に注意を振り分けることができるようになりましたが、これは自分の注意を注意できるメタ注意のようなものが発達してきたからかなと思うことがあります。
 注意とか意識って、実体がありそうでどこにもなくて、なんなのかなと思います。
 注意って現象としてとらえたほうがいいんだろうか。

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