
同質性と異質性は脳の中でどう同居するのか?
今日取り上げる論文は難しくてよく分からなかったのですが、おそらく脳と心の関係について神経科学的な説明を試みたものだと思います。
これによると人の認知活動というのは瞬間瞬間でいろいろ変わっていくのですが、
当然脳もこの認知活動の変化にともなって流れるように活動が変化しているはずで、その辺のことを「準安定性」という概念で捉えられないかというような話だと思います。
準安定性については三国志の魏蜀呉の一触即発状態になぞらえて考えたことがあったのですが
ジャズの演奏でもドラムが主で演奏が進んでいて、ある瞬間ベースの演奏が種に切り替わるかもしれない、
でも同じ曲の演奏という同一性は保たれていている。
私が今パソコンの画面に集中していて視覚野や前頭眼野、前頭前野のあたりの活動が高くなっていても、ふすまの後で赤ん坊が泣けば聴覚野や辺縁系のあたりの活動が主になるかもしれない、
でも私という意識の流れは保たれている。
安定していながらも、いつどっちにでも流れていける、
ジャズのアドリブみないな構成で神経活動がなされているのではないかということが述べられているのではないかと思います。
【要旨】
「画像技術が大きく進歩して認知神経科学領域において多くの情報がもたらされてきた。しかし脳と心の関係は未だ十分に理解されておらず、その関係性を神経科学的に説明できる言説もない。認知活動がどのように成り立っているのかについて本稿では動的協調性という概念を取り上げて考えてみる。」