脳の中の内向きシステム/外向きシステム
内向的だとか外向的だとかという言葉もありますが、今日取り上げる論文によると脳というのも内向きシステムと外向きシステムがあるそうです。
外向きシステムというのは主に自分の外側で起こった事象に対して対応するようなそういったシステムのようです。主に感覚運動皮質を中心に構成されていてボールをよけるだとかコップに手を伸ばすということに関わっているようです。
内向きシステムというのはこれは自分の内側に注意が向くようなシステムで、自分が今何を感じているのか、昔何があったかと回想するとか、あるいは思考だとかそういったことに関係するネットワークだそうです。これはデフォルトモードネットワークといわれるものと大きくかぶるものでもあるそうです。
今日取り上げる論文はこの二つの大局的なネットワークを実際の画像データを元に分析して抽出したものです。
しかしながら社会性に関する様々な現象、これは人の痛みを自分の痛みのように感じたり、同情したり、あるいは他者の気持ちを推し量ったりというのはこの二つのシステムどちらかだけで処理できるものではないということも述べられています。
【要旨】
脳の大局的な構造を知ることはその機能を知るためにも重要な事である。近年我々は脳の後部領域は二つの大きな領域に分けられるという仮説を提唱した。一つは感覚運動皮質から構成される外向きのシステムでこれは外界の情報に対応するシステムである。もう一つは従来デフォルトモードネットワークといわれていたシステムでこれは内向きの情報処理に関わるものである。今回画像データを元にクラスタリングを行ったところ、皮質が上記の仮説に相当する大局的な領域に分けられることが示された。この結果は個人間でも共通して見られるものであり、脳は内向きと外向きの二つの大局的なシステムに分けられると考えられる。
コメント
脳というのはネットワークで動くということが言われていますが
ではどういったネットワークに切り分けるというのは、いろいろ出されているようです。
デフォルトモードネットワークにしてもどこからどこまでがそうなのかよく分からないし、背側注意ネットワークだとかミラーニューロンネットワークだとかいろいろあって頭がこんがらがりますが(-_-)
今日から3,4回で様々なネットワークの区分を示した論文を幾つか取り上げたいと思います。
大きい区分から始まって、だんだん細かい区分になるような流れで取り上げていきたいと思いますのでよろしくお願いしますm(_ _)m