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扁桃体と下側頭葉の関係とは?

よく言われているように、視覚処理というのは2つの経路でなされるそうです。

その2つの経路というのは

①背側経路(視覚野から入って頭頂葉に抜ける)

もう一つは

②腹側経路(視覚野から入って側頭葉に抜ける)

の2つだそうです。

この図がわかりやすいと思います。

この図を見てもらえればわかるように、腹側経路では視覚野から下側頭葉の方へ抜けていきます。

この下側頭葉というのは、情動や記憶と関連する領域と結びついている領域だそうです。

つまり視覚情報が下側頭葉を抜けていくことで、目に見えたものがどんな意味を持つか、いわゆる意味情報が処理されるのではないかということが言われています。

今日取り上げる論文は、情動的な刺激の検出に関わる扁桃体と、視覚対象の意味処理に関わる下側頭葉が共時的にはたらいていることを示したものです。

このことから扁桃体と下側頭葉の間に機能的な連結があるのではないかということが仮説的に述べられています。

【要旨】

「多くの研究によって情動的な刺激によって扁桃体と視覚野の活動が素早く調整されることが示されている。今回我々は機能的MRIを使用して視覚野と扁桃体の活動が情動的な刺激によってどのように変化するのかについて調べた。結果、情動的な視覚刺激に対して、下側頭葉と扁桃体は共時的に活動することが認められた。さらに何らかの恐怖症を示す被験者は、恐怖症を持たないものに比べ、扁桃体と下側頭葉に高い活動を示すことが認められた。従来確かめられた動物実験の結果と照らしあわせても、恐怖と関連した情動刺激と扁桃体/下側頭葉の活動のあいだには強い関連があることが考えられた。」

参考URL:Parallel amygdala and inferotemporal activation reflect emotional intensity and fear relevance.

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コメント

殺人鬼でもなまはげでもいいのですが、何かおそろしいものに追いかけられている時の殺人鬼の顔というのはスナップショットで取ったような感じで認知されて、走って追っかけてきている動きの要素というのはあんまり感じられないような気がする。

こういうのは腹側経路処理>背側経路処理となっているせいなのだろうか

そんな単純な話ではないのだろうけれど

リハビリするにしても恐怖感を抱かせないほうが空間認知処理がうまくいくのだろうかなどと考えました。

スキーの時のコブの認知なんかは腰が引けたビギナーと経験者では見え方がだいぶ違うんじゃないかと思います。

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