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注意とサブリミナル刺激の関係とは?

今日取り上げる論文は、注意とサブリミナル刺激の関係について調べたものです。

サブリミナル刺激というのは、意識には上がらないけど、何らかの影響を与えるような、そんな刺激のことを言うようです。

これはテレビコマーシャルの中で、数十コマの中に一コマ、メッセージ性の強い画像をこっそり入れ込んでおくと、時間が短すぎて意識には上がらないけれども、消費者の購買行動に影響を与えるというような、そんな刺激をサブリミナル(閾値下)刺激というようです。

今日取り上げる論文は、このサブリミナル刺激と注意反応について調べたもので、やはり知覚閾値下の刺激でも注意反応が影響を受けることを示したものです。
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【要旨】

「今回、知覚閾値下の視覚刺激が目標駆動的な注意に影響を与えうるか、事象関連脳電位と行動学的指標を用いて調査を行った。被験者はまず知覚閾値下の視覚刺激を提示され、続けて特定の色を探索する課題を行った。結果、知覚閾値下の視覚刺激は神経活動の計測においても、そのパフォーマンスにおいても影響を与えていることが示された。このようなことから、目標志向的な課題においては知覚閾値下の刺激においても注意機能に影響を与えることが考えられた。」

参考URL:Goal-driven attentional capture by invisible colors: evidence from event-related potentials.

コメント

剣道をしている時は竹刀の切っ先なんか意識されないだろうし、バスケをしている時も周辺視野に入ったボールというのは、意識されないけど「分かる」ようなことなのかなと思います。

外来リハビリでくるスポーツ選手になんでフィールドの全体が分かるのかと質問すると、たいてい、「見えないけど分かる」とか「分からないけど分かる」とか禅問答のような言葉が返ってくるのだけれども
これは非意識的な知覚で、刺激に反応して身体が動いた後に理解が伴うようなものなんだろうか。
それでいけば格闘技漫画の中の主人公の試合中のひとりごと「見えた!」「そこだ!」というのはきっと嘘なんだろうな。
 それとも試合が終わった後に思い出せば、意識が運動に先行していたかのようにその時の意識の流れが再編集されるのだろうか。
 意識とか注意って難しいです(´・ω・`)

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