あなたの脳はどのようにしてココロを読み取っているのか?
社会に生きるというのはなかなか大変なことではないかと思います。
いろんな人達がいていろんな思惑がある。
その中で上手に泳いで渡っていくためには人の心をある程度読めなければいけないと思うのですが、私達の脳はこのややこしい仕事をどのようにしてやってのけているのでしょうか。
まず一つはミラーニューロンシステムを使った理解があるそうです。
これは、その人の動作から直感的にその人の意図を感じ取るような処理の仕方だそうです。
バスケットボールで相手からボールを奪いたければ相手の視線や動作、ステップを取り込んで、相手がどっちに進もうとしているのか、どこにボールをパスしようとしているのか感じ取ると思うのですが、こういった動作から読み取る意図の理解というのにはミラーニューロンシステムが関わっているそうです。
バスケットボールのように動作から直感的に意図を読み取ることも出来ますが、私達は頭を使って心を読むことも出来ます。
目の前のどことなく元気がなさそうな同僚を見て
・かれはもともとメンタルが弱い
・来週の発表の準備に追われている
・家庭の事情もごちゃごちゃしているらしい
・目にクマができていて、腰も痛そうだ
といろいろ考え彼のことを理解することも出来ますが、こういった理解はバスケットボールのように直感的な理解というよりは、もっとロジカルに頭を使った理解ではないかと思います。
こういうロジカルな心の理解には脳の内側面、これは脳を二つに縦割りした時の右脳と左脳が向かい合わせにくっついている領域なのですが、このあたりが関わっているそうです。
ではミラーニューロンシステムと内側面領域が相手の理解に際して別々に働くかというと必ずしもそういうわけではない。
肩をショボンと落として近づいてくる同僚なんかを見るときにはミラーニューロン系の直観理解と内側面領域系のロジック理解の両方が同時に相互作用を起こしながら働いているのではないかと思います。
今日取り上げる論文はこの二つのネットワークが相互作用を行いながら相手の理解に関わっているのではないかということについて解説したものになります。
近年の研究により自己と他者の認知に関わる二つの大きなネットワークがあることが示されている。前頭頭頂領域にかけて存在するミラーニューロン領域は自己と他者の身体的な情報をシミュレーション機能によって橋渡ししているのに対し、皮質正中面に見られる領域は自己と他者のより抽象的で分析的な情報の橋渡しをしている。この二つの機能的な領域を想定することによって、今まで別々になされてきた自己認知と社会認知に関する知見をつなぎうると考える。脳の正中構造とミラーニューロンは自己と他者の理解に関する一つのコインの両面であると考え、この点について考察を行う。
参考URL:The self and social cognition: the role of cortical midline structures and mirror neurons.
コメント
ちなみにミラーニューロンシステムの下頭頂小葉領域と内側面システム(デフォルトモードネットワーク)の楔前部がリンクして直観理解とロジカル理解の二つが繋がっているのではないかということです。
シャーロック・ホームズなんかはロジカル理解よりの認知の仕方をしていたのかなと思います。
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