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スモールワールド性とは何か?

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脳というのはスモールワールド的な性質とスケールフリー的な性つの二つがあるそうです。

スモールワールド的な性質というのは、まったく別の集団に属する赤の他人である二人が知り合いの知り合いで繋がっていた、世界は狭いねなどというように、間に顔の広い友人のような橋を一つ、二つかけることで世界を数ステップで繋いでしまような、そんなネットワークのことをいうようです。

スケールフリーというのはインターネットのようなネットワークの作りで、ポータルエンジンのような大きい中心があって、それをつなぐように中規模の中心、そこから更に小規模の中心と徐々に次数が切り下がっていくようなそんなネットワークのことをいうようです。

脳というのはあっちを見たり、こっちを聞いたりして脳の活動も流動的に切り替わっていくのですが、そのような場合でも常にスモールワールド性とスケールフリー性を持ちながらその構造を変えていき、そのベースにはスパイクタイミング依存可塑性というものがあるそうです。

スパイクタイミング依存可塑性というのは、シナプスの前後でシナプス前細胞とシナプス後細胞があるのですが、シナプス前細胞が発火して数十ミリ秒以内にシナプス後細胞が発火すれば、そのシナプスのつながりは強くなる、つまりシナプス増強が起こる、

この順序が逆な場合にはシナプスの関係は弱くなる、つまりシナプスシナプス抑圧が起こる、こういった変化のことをスパイクタイミング依存可塑性というらしいです。

自己組織化とは何か?

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また脳のネットワークというのは自己組織化するようです。

自己組織化とはクラス替え当日はバラバラになっていても、徐々にグループが出来、リーダーができ、補佐役やお調子者役が出てくるように、何の指示もなくともカタチが勝手にできてくいる、こういった作用を自己組織化というらしいです。

普通のクラスでは一度カタチが、できてしまえばそんなには変わらないのですが、これは平和な国の平和な学校で暮らしているせいで、もしこれがバトルロワイヤルのような皆が皆殺し合いのような極限状況だと、与野党がくっついたり離れたり、合従連衡を繰り返す落ち着きのない政治状況のように、学級内の人間関係ネットワーク、クラスのカタチというのも流動的なものになるでしょう。

以上をまとめると脳というのはバトルロワイヤルな状況になった学級の人間関係のようなものかと思います。

一応のカタチをとっているのだけれど、それは極限状況のぎりぎりの状態で辛うじてバランスをとっているだけで、いつまた別のかたちになるのかもしれない、そしてそのかたちというのは、グループ別(領域別)に分かれていていてつながっていて(スモールワールド性)、リーダーを中心として、その下に中リーダー、少リーダーがいるようなスケールフリー構造をとっている、そして一つのルール(生き残る/スパイクタイミング依存可塑性)がその流動的な関係性・自己組織化の過程を支配している、そんなことを示したのが今日の論文だと思います。

 

【要旨】

「近年の研究により神経系のようなスモールワールド性を持ったネットワークは、その同調活動も迅速かつ強力で効率的であることが示されている。本稿では脳というのがスパイクタイミング依存可塑性(STDP)によって、自己組織化され、またその形態がスモールワールド性とスケールフリー性を持つことを示す。この自己組織化臨界の状態で組織化がなされる団塊ではは興奮性シナプス入力と抑制性シナプス入力のバランスが重要であると考えられる。」

参考URL:
Self-organized criticality and scale-free properties in emergent functional neural networks.

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