「ヒトの線状体外皮質におけるV5/MT+の細胞構築学的解析:hOc5領域の確率論的、定位的マップ」
普段生活していて人の意識は一続きの流れるようなものとして感じられますがはたしてこれは本当でしょうか。
ある実験によるとヒトの意識というのは流れるようなスムーズなものではなく、パラパラ漫画のような切れ切れのコマゴマの意識で構成されていることが示されています。
なにか物を見ている時もそのすべてをそのまま認識しているわけではなく、一秒間に数十回の頻度でスキャンされた細切れ画像をつなぎあわせて一続きのものとして認識しているわけで、脳の中にはこういった細切れ画像をうまくつなぎ合わせるようなところがあるのではないかということが言われてきたのですが、これが実際に脳のどの部分かというのはよく分かっていなかったそうです。
今日取り上げる論文は死後の脳を解剖してこの「動き」画像の編集に関わる領域を明らかにしたものです。
この領域が怪我や病気でうまく働かなくなると添付の動画のようにフリージングを起こしたスカイプ画像のように細切れになってしまい日常生活を送るのが大変になるそうで、見えただけ、聞こえただけではダメでそれらをうまくまとめ上げるような働きが大事なんだろうなと思いました。
ポイント
機能的画像研究によって視覚的な動きの認知に関わる領域が下側頭回後枝に認められたがこれは古典的な細胞構築学的なマップにはないものであった。
今回10体の死後脳を対象にhOc5領域について細胞構築学的解析を行った。結果hOc5領域は広いIII層を持ち、II層とIII層の細胞密度が高くV層においては低いことが示された。
これを3次元的に再構成するとhOc5領域は標準座標において平均して-43, -73, 10 (left) and 49, -70, 11 (right)であり、空間座標や溝との関連性はヒトのV5/MT+との関連性を強く示すものであった。
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コメント
動体視力ってこの領域(V5/MT+)と関係があるんだろうか。鍛えれば良くなると言われているようだけれども。
何かしらの研究があるようであればどなたか教えて下さいm(_ _)m