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ワーキングメモリとはなにか?

ワーキングメモリというのは、電話番号や人の顔などを短時間頭の中、具体的には前頭前野背外側部のあたりににとどめておくような、そんな情報の仮置き場みたいなものだと思っていたのですが、もっと複雑にできているようです。

例えばある状況、今眼の前に広がっている職場なり、道路なりの様子を頭に留めるときには、その全情報が前頭前野背外側部に、壁にピン止めされたスナップショットのように留められるわけではなく、

聴覚情報や視覚情報にバラされて、また視覚情報も動きの情報やカタチの情報、色の情報などいろんな情報にバラされて、

前頭前野のみならず頭頂葉や視覚野、聴覚野など脳の中のいろいろな部位にモザイク状に短時間留められることが論文の中で述べられています。

【コメント】

色や形、音や速さ、いろんなばらばらの情報がどうして一つの意識として体験されるのか、なんだか不思議な感じがします。

 自分が知覚している世界というのは、どこまでいっても主観であって、現実そのものではないのではないかという気もします。

【要旨】
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「ある動作を行うためには短時間感覚刺激を脳内の留めておくことが必要であるが、このような短時間留められる感覚刺激の集合が感覚ワーキングメモリである。近年の研究により、視覚における物体の動きや聴覚における音の周波数といった基本的な感覚は、その性質によって脳内の異なる部位に保持されることが明らかになってきている。またそれらの感覚情報は前頭前野や頭頂葉だけでなく、感覚処理の初期の段階で活動する感覚野そのものにも留められることが明らかになってきている。前頭前野や頭頂葉、体性感覚野からなるこれらの回路には二つの役割があるように思われる。一つは情報を正確にコードすること、もう一つはコードされた情報を短期間保持することである。これらの結果から、感覚刺激を想起がどのようになされているかについての考察が可能になると考えられる。」

参考URL:Working memory in primate sensory systems.

遺伝子検査のジーンライフ<Genesis2.0>

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