前頭前野の機能とは?
今日取り上げる論文は2001年に発表された前頭前野についての総論になります。
前頭前野はその構造上、眼窩部と中央部、外側部の3つに分けられること、
前者二つが情動的な要素と関係するのに対し、外側部はいわゆるワーキングメモリーとして情報を順序良く、時間軸にそって並べる機能があること、
これらの前頭前野の機能は個別的なものでなく、他の大脳皮質との連携の上に立ち上がるものであることが述べられています。
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要旨
「大脳皮質は階層的な構造をとっており、前頭前野はその階層の最上部に位置して知覚表象や運動を司る。この大脳皮質は眼窩部と中央部、外側部の3つに大きく分けられる。眼窩部と中央部は主に情動的な要素に関わり、外側部は行為や言語、推論時の時間構成に関わっている。現在前頭前野を巡る議論の混乱のもとになっているのは前頭前野の各機能を局所的な機能として位置付けたり、前頭前野が持つ他の機能を無視したり反対したりする故である。前頭前野の機能とは局所的なものではなく、他の大脳皮質との連携の上に立ち現れるものである。本稿では前頭前野の解剖学的連結構造を明らかにした上で、その最も中心的な機能について神経生物学的研究を元に述べる。続いて前頭前野の認知活動におけるその動態について述べる。」