
外在的注意と光情報の検出
今日取り上げる論文は、視覚的な注意が、どこまで本人の意図を反映していているのか、あるいはどこまで視覚対象がもつ刺激によって駆動されるものなのかということを論じたものです。
この議論は未だに決着がついていないようなのですが、この論文では外在的な要素が注意システムを駆動しているのではないかということを論じています。
これは視界に光情報が入ると、何らかの意思が立ち上がる前に、自動的にその光情報の差異(色、形、輝度)を検出するシステムがあり、ここで検出された著明な差異が注意システムに送られて、そこで注意が立ち上がるのではないかということが述べられています。
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【要旨】
「視覚的注意に関わる最も基本的な問題として、これがどの程度まで対象の持つ刺激特性によってコントロールされるのか、あるいはどの程度まで本人の意図、目標、新年というものにコントロールされているのかというものがある。選択的注意システムが働く前に、前-注意的なシステムが視野空間に対して基本的な分析を行い、視界に入った情報を機能的な知覚単位に分割している。問題になるのは、この前-注意システムに見られる作用が外部刺激によるものなのか、あるいは観察者の意図を反映した内在的なものなのかということである。本稿では、基本的な特徴(特定の色、形、輝度)に注意を向ける課題において、注意の内在性、外在性について論じた研究の総括を行う。総括の結果、視覚システムは自動的に視界に入った情報の差異(色、形、輝度)を分析し、その特徴的な差異をさらなる分析を行う“中央表象”に送るという外在的な方法で分析していると考えた。」
参考URL:Endogenous and exogenous control of visual selection.