「神経画像における機能的かつ効果的連結:その統合」
今から200年ほど前に世を賑わしたものの一つに骨相学というものがあります。
これはいわば脳科学ブームの走りのようなものだと思うのですが、頭蓋骨の形というのはその人の基質を反映しており、頭蓋骨のところどころの形を見ればその人の性格が読み取れるといったものだったようです。
なんだか今の脳科学ブームそっくりなような気がしますが、ここ最近の脳科学では、脳というのは特定の部分が特定の役割を果たすのではなく、ある部分がどんなふうに他の部分と繋がっているかでその役割が浮き上がってくるという考え方が強くなってきているようです。
例えば塩というものを考えましょう。
この塩というのは普通に使えばものをしょっぱくする役割がありますが、すいかにかければ食べ物を甘く感じさせる役割があります。
つまり塩というのは予め機能が決まっているわけではなく、その置かれた状況によって果たす機能が変わってくる。
乱暴者も戦場に置かれれば勇敢な兵士になり、現場で役に立たない頭でっかちもシンクタンクに置かれれば切れ者と言われることもあるでしょう。
つまり機能や役割というのは骨相学がいうように予め決まりきっているわけではなく、どことどうやって繋がっているかで浮かび上がってくるのではないかという考え方が現在強くなってきているようです。
今日取り上げる論文は脳画像からこの繋がりを理解するための方法を数学的に説明したものです。
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【要旨】
脳の機能的構成をどう考えるかという点については2つの点に分けて考えることが出来ると思われる。すなわち機能的分離と効果的連結という点である。機能的に特化された領域の繋がりは機能的連結あるいは効果的連結と呼ばれる。この種の繋がりをかんがえることは神経科学の多くの領域で重要なテーマであり、本稿では機能的画像を用いたこれらの繋がりに対するアプローチを取り上げる。本稿では機能的連結と効果的連結の相違点を取り上げる。皮質間の関係は線形的に取り上げられることが多かったが非線形的な相互作用について評価を行う。
参考URL:Functional and effective connectivity in neuroimaging: A synthesis.
コメント
とはいえ文系のわたしには書かれている数学的内容はさっぱりわからなかったのですが(-_-;)
数学脳がほしいです(-_-;)
骨相学、ネタ程度にしておいたほうが良いのではないかと思います(-_-;) わたしは澁澤龍彦のエッセイでそれを知りました。