ランダムネットワーク、スモールワールドネットワーク、階層ネットワーク
今日取り上げる論文はネットワークの構成についての基礎研究になります。
ネットワークにはいろんな種類があるようです。
一つはランダムネットワークと言って、あらゆるつながりがランダムになされているようなネットワークです。
高校のクラス替え初日に見られるような、秩序だってないランダムなつながりを考えてもらえればと思います
もう一つはスモールワールドネットワークと言って、世界は狭いというか、世界のどんなとこまでも5,6回の乗り換えでいけるようなそんなネットワークのことです。
さらにもう一つは階層クラスタグラフと言って会社組織のようなグラフです。
職員5人で係グループが一つ出来、そのグループが5つ集まり課グループができ、課グループが5つ集まり部グループができ、、、といったそんな関係のネットワークです。
最後の階層クラスタネットワークについては紹介論文のFIGURE1がイメージがつかみやすいかもしれません。
ネットワークのどこかの点が活動した時にどうなるかを、これら3つのネットワークで比べてみたところ、階層クラスタネットワークが最も安定かつ多様なパターンでの活動を示しており、
これが脳のネットワークに近いのではないかということが述べられています。
【要旨】
「哺乳類の脳のような複雑な神経組織では、一定の閾値の範囲内で安定して作動するネットワークであることが求められる。今回それぞれ抑制機構を含まないランダムネットワークとスモールワールドネットワーク、階層クラスタネットワークネットワークの3種類の活動についてシミュレーションを行い比較を行った。結果ランダムネットワークと階層クラスタネットワークでは後者が安定して持続した活動を示し、階層クラスタネットワークとスモールワールドネットワークでは前者のほうが高い臨界値を示していた。今回の研究から、この階層クラスタネットワークが大脳皮質のネットワークにおける安定的かつ多様的な活動を説明できることが考えられた。」
参考URL:
Criticality of spreading dynamics in hierarchical cluster networks without inhibition