
メタ可塑性とはなにか?
今日の論文は難しすぎてよく分からなかったのですが、おそらくメタ可塑性について述べたものではないかと思います。
ヘブ則というのはニューロンAとニューロンBがほぼ同時に発火した時、その結合が強化されるというものだったと思うのですが、
可塑性というのはこの神経結合の変化によって、脳の構造がプラスチックのようにうにゃうにゃ変わりうるというようなそんなことだったと思います。
でも神経細胞間の接続強度の変化というのはそんな簡単なものではなく、もっと長い期間の、個体の歴史ともいえる、どんな入力がどれだけの頻度でい今までなされてきたかを反映するというのがメタ可塑性の話だと思います。
同じコンサートに行って、同じ音楽をA子さんとB子さんが聴かせても、小さい頃から音楽環境に恵まれたA子さんとそうでないB子さんでは、A子さんの方がより強化学習されやすいでしょう。
多くの兄弟に囲まれたB子さんと一人っ子のA子さんでは、同じ学校の同じクラスに放り込まれても、B子さんのほうが、より社会性を学習しやすいでしょう。
でもそんな社会性に乏しいA子さんでも、社会に出て、何年か人に揉まれて、学習量が一定の閾値を超えると、急に社会性の学習が容易になる時期が来る、そんなイメージじゃないかと思います。
メタ可塑性というのは、つまり可塑性の可塑性、可塑性の振る舞いのしかたそのものをウニャウニャと変える何か、個体の歴史全体を反映するシステムのことなのではないかと思います。
この論文は、メタ可塑性の話をかませながらランダムな再帰的神経ネットワークからいかにスモールワールドネットワークが立ち上がってくるかということを述べたものだと思います。
要旨に出てくる「カオスの縁」に関してはこんなふうなのではと考えています。
「本研究では再帰的なランダムな神経ネットワークにヘブ則がどのように影響するかを検討する。神経ネットワークの動態や構造は劇的な変化を示すが、このことにヘブ則が大きく関係していると考える。新たなネットワークが構成される時というのはヘブ則に従って新たな結合がなされるが、この結合の仕方というのは過去の結合のされ方を反映したものになると考える。またこのネットワークシステムは「カオスの縁」を通りぬけ、与えられた入力が最大になるよう振る舞うことが考えられた。」