フォローする
【脳科学専門ネット図書館】会員募集〜ワンコインで世界中の脳科学文献を日本語要約〜

前頭前野と情動の関係とは?

脳の中の小人という考え方があるそうです。ホムンクルスともいうのですが、脳の中にいるこの小人が住んでいて、私達にいろんなことを感覚させたり、動かしたりしているという考え方ではないかと思います。

これは例えば私達が無意識に笑っているとしても、それは脳の中のホムンクルスが「はい、いま、笑いの出力を50%上げろ」と指示した結果なのかもしれない。

無意識に怖がっているとしても「いま、恐怖の感受性を70%上げて、笑いの感受性を90%下げなさい」とボタンなりレバーなりを操作して、そんなふうにしているのかもしれない。

自分自身で感じて、自分自身で動いているような気がするけど、ホムンクルスという考え方を受け入れるならば、実はその実、脳の中の小人が「ウゴケ」「ワラエ」「カンドウシロ」と操作した結果、素直に動いているロボットのようなものかもしれません。

今日取り上げる論文は前頭前野と情動の関係についてまとめたものです。

この論文によると前頭前野の内側の部分があるのですが、このうち後ろの領域(背尾側領域)は情動の価値付けに関わり、前の方(腹吻側領域)は扁桃体に働きかけて情動の制御に関わっていることが述べられています。

「ネガティブな情動刺激は内側前頭皮質と前帯状皮質を含む脳の広範な領域を賦活する。従来の見解ではこの2領域からなる部分の背尾側部分は認知に、腹吻側部分は情動に関わっているとされてきた。本稿はこの従来の見解とはことなり、この2つの領域が共に情動処理に関わることを、様々な実験結果を元に示す。私達の見解では前帯状皮質と腹側前頭皮質からなるこの領域の背尾側部はネガティブな情動の価値付けや表出に関わり、腹吻側は情動反応に関わる辺縁系を調整する役割があると考える。」

参考URL:Cognitive and emotional influences in anterior cingulate cortex.



コメント

自分は自分だ、だとか、いやそんなものはなくて実は小人に操作されてるだけなんだよとか、いろんなものいいは可能だと思うのですが

どっちをとるにしても「主体」というものを想定していると思います。ことばをいいかえれば「ジブン」という意識なのですが

宇宙の中心に立ってそれを見渡すジブンというものがある、ワタシというものがある、という考え方そのものが間違っていて

広大な宇宙には様々な物質、力の相互関係だけがそこにあって、

ただただあるだけで

主体なんてものはどこにもない、何かのフィクションなのかなと思ったりもします。

これは会社でも業界でも国家でもいいんだけど、そこにあるのは関係性だけで、あるとおもって見ているのは蜃気楼のようなものなんじゃないかと思ったりします。

「ワタシ」を示しなさいといわれて、これだよと自分のカラダを示したとしても、それは細胞集合であって「ワタシ」ではない。米国を示しなさいといって大地をさしたとしても、土砂の集合で会って「米国」ではない。国旗をさしたとしても、それも一定の模様がついた長方形の布であって「米国」ではない。ワタシも業界も会社も国家も本当はどこにも存在しない。だからなおのこと、ヒトは国旗や版図といった目に見えるものに固着するのかなと思ったりします。

私自身、特定の政治思想はありませんのであしからずm(_ _)m

フィクションをフィクションとして楽しめばそこにはなんの問題もないとは思います。

 

 

 

※一日一つ限定ですが、個人や非営利団体を対象に脳科学に関するご質問・調査を無料で行います。興味のある方はホームページの「お問い合わせ」ボタンからどうぞ。

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします