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ミラーニューロンと2つの視覚経路の関係とは?

今日取り上げる論文は、ヒトの視覚認識について調べたものです。

英語ではsee,watch,find漢字では「見る」「観る」「看る」などと、「みる」というのは、いろいろあるようですが、今日取り上げる論文では、意味のある動作と意味のない動作を、ただ見て覚えさせる課題と実際に体を動かして真似するために見る課題とで、どのように脳の活動が違うかを調べたものです。

意味のある動作を見せた時には主に左脳の腹側視覚経路(視覚野→側頭葉の記憶情報に関わるwhat経路)の活動が高まること、

意味のない動作を見せた時には右脳の背側視覚経路(視覚野→頭頂葉の空間情報に関わるwhere経路)の活動が高まることが述べられています。




【要旨】

「意味のある動作と意味のない動作を行っているのを観察させた時、脳の活動がどのように違うのかをPETを使用して調べた。またそれぞれの動作について、それを認識して覚える場合と、実際の動作として真似する場合の2条件でどのように脳の活動が違うのかを調べた。結果、これらの条件で脳の活動部位に左右差が見られることが明らかになった。具体的には、意味のある動作を観察した時は左半球の前頭領域と側頭領域に活動の増加が見られ、意味のない動作を観察した場合には右の後頭-頭頂経路に活動の増加が見られた。認識して覚えさせる課題では記憶のコードに関わる領域に活動の増加が見られ、実際の動作として真似させる課題では動作の計画・実行に関わる領域の活動の増加が見られた。これらのことから、動作を見ている時というのは、その見せられている動作の内容と、動作を見る目的によって脳の活動もそれぞれ異なることが考えられた。」

参考URL:Brain activity during observation of actions. Influence of action content and subject's strategy.
遺伝子検査のジーンライフ<Genesis2.0>

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