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ミラーニューロン仮説は本当に正しいのか?

ミラーニューロンというのは何かをしているときも、それと同じ動作を見たり聞いたりしているときも、ともに活動するようなそんな神経細胞のことだそうですが、これがヒトの持つ高度な認知的な機能に関わるのはないかということが言われています。

すなわち相手の意図を推察する、道具を使う、モノマネする、共感する、言葉を使うなどなどです。

今日取り上げる論文では実際にこういった仮説を説明できるような実験的なデータはほとんどないこと、また自閉症の説明にミラーシステムの不全が関係しているといわれているが、自閉症の症状はミラーシステムだけでは説明がつかず、ミラーシステムだけで考えるのは不十分だということが述べられています。


【要旨】

「10年以上前にマカクザルでミラーニューロンが発見されたが、これはヒト特有の様々な性質を説明できるものとして援用されてきた。たとえばミラーニューロンは観察された動きの意味や意図の理解に関わる、あるいは模倣による学習や共感機能、「心の理論」の形成、言語の発達など様々なヒト特有の性質にミラーニューロンが関わるといったことが考えられてきた。またこのミラーニューロンの機能不全により自閉症スペクトラム障害に見られるような社会的、認知的障害が生じるのではないかということが考えられてきた。しかしながらこれらの仮説を証明できるような現実的なデータはいまだ提示されていない。本稿では現時点における「ミラーシステム」の研究を振り返り、その不十分な点を指摘し、定型発達や自閉症を対象とした研究をするにあたり、この概念をいかに利用すべきかについて述べる。」

参考URL:A mirror up to nature
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