ミラーニューロンと模倣の関係とは?
今日取り上げる論文はミラーシステムが動作の理解や動作の模倣にどのように関わっているかについて述べた総論になります。
ミラーシステムというだけあって、何もブローカ野のあたりだけが働いているのではなくて、いろんな部位が繋がって、動作の理解や模倣につながる神経機構が組み上がっているようです。
扁桃体だとか、島皮質だとかいろんなところが関わるらしいのですが、とりわけ大事なのかp-STS(posterior superior temporal sulcus:上側頭溝後部)と言われる部位らしいです。
このSTSといわれる脳溝は側頭葉を横切るように走っているのですが、視覚野から入った情報がこのp-STSのあたりに流れ込んできて、これをrostal IPL(rostal intraparietal sulcus:頭頂間溝吻側部)を経由して、ブローカ野のあたり、ventral PFC(vental prefrontal cortex :腹側前頭前野)に流れ込んでるようです。
アルファベットがいっぱい並んでいて仰々しいのですが、この図がいちばんイメージがつきやすいと思います。
ざっくり言えば、ミラーシステムというのは、側頭葉↔頭頂葉↔前頭葉を結んでる、そんなネットワークなのかなと思います。
【要旨】
「動作理解の基盤になる神経機構はどのようなものだろうか。それは動作を視覚的に分析するだけでなく、その情報を運動表象に関わる神経システムに落としこむようなものではないかということが議論されてきている。本稿では霊長類やヒト科が備えているそのような神経機構、”ミラーシステム”について、その存在を示す論拠を挙げ、動作の理解や動作の模倣への関わりについて考察する。」
参考URL:Neurophysiological mechanisms underlying the understanding and imitation of action.