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ミラーニューロンとバイモーダルニューロン

何かの動作を見ている時も、またその動作を自分で行っている時も等しく活動するような神経細胞をミラーニューロンといい、

それは脳のいろんな所にあって繋がって、いわゆるミラーニューロンシステムを構成しているのですが、その中でも腹側運動前野にあるもの(サルではF5領域、ヒトでは44野:下図参照)が知られています。

サルF5領域

ヒト44野

ミラーニューロンで知られるこの腹側運動前野は、バイモーダルニューロンという神経細胞がある場所でも知られているようです。

バイモーダルニューロンというのは、視覚と触覚の両方をコードするような神経細胞のことになります。

他人から前腕の近くで、触らずとも5cmか10cm位離れた場所でコチョコチョウニョウニョと手を動かされると、実際に触られていないのに、なんだかウニョウニョ触られているような変な気分になることがあるのではないかと思います。

でも目を閉じれば、そんな変な感覚も消失するでしょうし、このコチョコチョウニョウニョが自分の前腕から1mくらい離れた場所でされたら、近くでされている時と違って、特にウニョウニョされているような感覚は生じないでしょう。

こんなふうにカラダというのは、触覚だけでカラダを感じるのではなくて、触覚と視覚をかけ合わせることで、実際のカラダから厚みをもたせたところで、自分のカラダを感じています。

狭いところや人ごみの中を上手にすり抜けるられるのも、この実際の大きさに厚みをもたせて感覚するカラダのシステムでしょうし、変な話ですが、痴漢がすっとおしりに手を伸ばしてくるのを見て、ぱっと払いのけられるのも、この拡張された身体感覚のおかげでしょう。

この拡張された身体感覚を可能としているのが、視覚と触覚の両方をコードするバイモーダルニューロンだそうです。

今日取り上げる論文はこのバイモーダルニューロンはサルではF4領域という場所で見つけられているのですが、これがヒトではどこに当たるかを調べたものです。

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要旨

「近年の研究により、サルと人の腹側運動前野は運動と認知の両方に関わることが報告されている。この腹側運動前野が関係する認知機能は、具体的には空間の知覚や動作の意味の理解、模倣といったものである。これらの研究の結果から、サルのF5領域とヒトの44野は機能的に相同する部位であることが示されている。本稿では、ヒトの外側運動前野の腹側部がサルのF4領域と相同であることを示した予備的な研究について説明し、この研究から得られたヒトの外側運動前野の仮説的な機能地図を示す。」

参考URL:Motor and cognitive functions of the ventral premotor cortex.



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