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「意図に関わるネットワーク:脳はどのようにして異なる種類の意図を読み取るのか」

脳というのはいろんな機能を持っています。それは脳の持ち主を歩かせたり走らせたりというような運動機能やあるいは見たり聞いたりといった感覚機能やいろいろなのですが、人が持つ一風変わった機能に「心を読む」というものがあります。

この心を読むという機能の中でも相手が何を企てているかを読み解く、いわば「意図」を読み取る機能というものがあるのですが、ヒトが他人の意図を読み取ろうとしている時脳はどんなふうに働いているのでしょうか。

今日取り上げる論文はこの意図の読み取りについて詳しく調べたものですが、この意図の読み取りというのは一概にいえないことが述べられています。

意図の読み取りといってもいろいろで、これは例えば相手が胸元に手を入れるのを見て「ああ、この人たばこを吸おうとしているんだ」というような理解はその人個人で完結してしまうような意図でしょうし、

あるいは夫婦げんかで片方がお皿を持ってスイングフォームに入っていたらこれは相手にぶつけようとするような意図で、その人個人で完結しない社会的(複数の人間が関わりあう中で生じる)意図といえるでしょう。

つまり「意図(企み)」というのは大きく分ければタバコを吸う時のような個人的意図とお皿を相手に投げようとするときのような社会的意図に分けられるそうですが、脳の活動もそれに対応するように意図の種類で違ってくることが示されています。

一対一の場面ではうまくコミュニケーションを取れるけど3人以上になるととたんに場に入れななくなるような人というのはこの社会的な意図に関わる脳システムを上手く働かせられていないのかなと思いました。

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ポイント

・心の理論を構成する脳領域として両側の側頭頭頂接合部、楔前部、内側前頭前野の4領域が考えられている

・本研究では意図に関わる神経機構を明らかにする目的で様々な種類の意図(個人的意図、社会的意図、現在及び未来における交互作用的な社会的意図)を理解している時の脳活動について調査を行った。

・結果右側頭頭頂接合部と楔前部がいずれの条件でも重要であるが、社会的な意図を読み取るような場面では前部帯状皮質周囲皮質と左側頭頭頂接合部が重要であることが示された。

参考URL :The intentional network: how the brain reads varieties of intentions.

コメント

人事のように書きましたが3人以上の場でフリーズしやすいのは何を隠そうこの私です(-_-;) 最近はどうにか社会生活を営めるレベルになりましたが楽というわけではありません(-_-;)

上記について少し詳しい話をすると

意図の理解に絡む脳領域は内側前頭前野、楔前部、左右の側頭頭頂接合部のようなのですが

社会的意図の読み取りについては内側前頭前野と左側頭頭頂接合部ではないかということが述べられています。

社内的な意図を読みとるシステムを成長させるためには、どうすればいいのでしょうか?
私も1対1の会話は得意ですが、大勢になると全然話せません(>_<)

ご質問ありがとうございます。

社会的意図を読み取るシステムを成長させる方法ですが、私が知りたいくらいです(-_-;)

ただ脳の働きの根っこの部分として、脳活動は基本的にはゼロサムゲームになっているということがあり、

これは経済活動では誰かが得をすると誰かが損をする、つまり脳で行けばどこかがよく働くとどこかがあんまり働かなくなるということで

あくまで私自身の仮説で裏付けはないのですが、社会的な意図を読み取れないような脳活動というのはおそらくどこか別の部分が過剰にはたらているということがあるのではないかと考えています。

それが恐怖感だったり論理的な思考だったり、肩の力だったり何かは分かりませんが、過剰に働いているどこかを落とせば、案外社会的な意図の読み取りがよくなるということもあるのかなと思いました(くどいようですがあくまで私自身の考えで裏づけがあるわけではないですm(_ _)m)

私の場合は酒を飲むといくらか読み取りが良くなったような気がしたので、気持ちを緩ませる何かが社会的意図の読み取りを良くするというのは場合によってはあるのかなと思います。うまく答えになってなかったらごめんなさい(-_-;)

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