「”やあジョン”という自分に対するコミュニケーションの意図を伝える信号はそのモダリティに関わらずメンタライジングに関わる脳領域を賦活する」
社会というのは人と人がコミュニケーションを取ることで成り立っています。しかしながらこのコミュニケーションが立ち上がるためにはまず何が必要でしょうか。
一にも二にも大事なのは「わたしはあなたとコミュニケーションを取りたいの」という他者の欲求を感じ取ることでしょう。
赤ちゃんであれば泣くという行為で伝えるかもしれませんし、これがもう少し大きくなれば袖を引っ張る、視線を向ける、名前を呼ぶといったいろんなアクションで「コミュニケーションを取りたい」という気持ちを伝えてきます。こういった気持ちを感じ取ることで初めて二人の間のコミュニケーションが立ち上がります。
しかしながらこのコミュニケーションの立ち上がりというのは脳科学的に考えてどのような仕組みになっているのでしょうか。
今日取り上げる論文はこのコミュニケーションの立ち上がりについて調べたものです。
実験では「やあ、ジョン」のように本人の名前を呼びかけられた時と、他者の視線が自分に向けられた時の脳活動について調べたものですが、両方とも同じような脳活動が見られることが示されています。
名前を呼ばれた時もこっちを見つめられた時もともに他者の心を推し量るときに見られるような脳活動が見られ、こういった脳の働きがコミュニケーションの立ち上がりに関わっているのではないかということが述べられています。
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ポイント
・コミュニケーションを行おうという意図は通常相手への呼びかけやあいは視線を向けるという行為によって伝えられる。
・本実験では機能的MRIを使用し自分の名前が呼びかけられた時と自分の方に視線を向けられた時の脳活動について調査を行った。
・結果両条件ともに他者の心に思いを巡らす時に活動すると言われている帯状皮質周辺皮質と側頭極に活動の変化が認められた。
普段このブログを見ないヒトがついついクリックして覗いてしまったとしたら
それはおそらくこの貼付の画像を見ることで自分の名前を呼びかけられたような反応が脳で見られたためかなと思ったりします。
脳科学の知見をマーケティングにもってくるようなものをニューロマーケティングというらしいのですが
「ヒトは見つめられている時も自分の名前を呼びかけられるときも同じような脳活動を示す(見つめるような画像でクリック率が高まる)」なんてそのまんまニューロマーケティングに横流しできそうな知見だなと思ったりもします。
マーケティング自体は否定も肯定もしないけど
売って売って買って買って、その消費活動のインフレーションの先に果たして幸せがあるのかどうかと考えるとちょっとだけどうかなと思うこともあります。
幸せのツボはひとによって違うからそれはそれでいいとは思うのですが・・・(´・ω・`)