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鏡像模倣とミラーニューロン、補足運動野

今日取り上げる論文も、模倣について調べたものです。
結論から言うと

① 模倣の実行に関しては右半球優位に活動してる可能性がある
② 模倣の実行には従来言われていたようなミラーシステム(腹側運動前野、頭頂間溝、上側頭溝)だけでなく補足運動野がこれに加わっている可能性がある

補足運動野:下図ピンク色部分

ということが述べられています。

よく小さい子に真似をしてねというと、向い合ってこっちが右手を上げると、相手は左手を上げるようなことがあると思うのですが、こういった鏡写しの模倣を鏡像模倣というらしいです。

それとは逆に、こっちが右手を上げるのを見て、向かい合った相手も右手を上げてくれるような模倣を、解剖学的に正しい模倣、解剖学的模倣というようです。

今日取り上げる論文は、この鏡像模倣と解剖学的模倣を行っている時で、脳の活動がどのように違っているのかを調べたものです。

【要旨】
遺伝子検査のジーンライフ<Genesis2.0>

 

「模倣は運動学習の基盤となるものである。我々は、解剖学的模倣(相手が左手を動かすと、向かい合った模倣者も左手を動かす)よりも鏡像模倣(相手が左手を動かすと向かい合った模倣者は右手を動かす)を好んで行いやすい傾向がある。このような傾向は運動の観察と実行を一致・照合させるミラーニューロン領域(頭頂-前頭皮質領域)の活動が異なるためであると考える。今回健常成人を対象に機能的MRIを使用して右指を使って鏡像模倣と解剖学的模倣の両方を行わせ、その時の脳活動について調べた。結果、両側の下前頭葉と右側の後部頭頂葉が、鏡像も方を行っているときにより活発に活動していることが認められた。さらに同様の活動パターンが右側の補足運動野でも見られた。以上の結果から前頭-頭頂のミラーシステム領域が模倣に関わることが考えられた。さらに補足運動野が模倣を行う上で前頭-皮質領域と密接に連携して働いていることが考えられた。」

参考URL:Modulation of cortical activity during different imitative behaviors.

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