
アルツハイマー病のネットワークはどのようになっているのか?
今日取り上げる論文はアルツハイマー病の脳がどのようなネットワークになっているかについて調べたものです。
結果から言うと、領域同士の連結が健常者と較べて粗になっていてスモールワールド性(情報伝達効率)が低下していることが述べられています。
【要旨】
「今回アルツハイマー病患者と健常者を対象に脳は測定を行い、アルツハイマー病の機能的ネットワークが異常なものであるのかどうかについてネットワーク分析を行い調べた。結果、アルツハイマー病ではネットワークの平均パス長が増大しており、クラスタ係数には有意な変化は認められなかった。平均パス長が増大していたことから、アルツハイマー病の脳では複雑さが減縮し、そのネットワークの構成も最適とは言えないものに変化していることが考えられた。これらのことから脳は本質的にスモールワールド性を有しており、アルツハイマー病ではこのスモールワールド性が低下することが考えられた。」
参考URL:
Small-world networks and functional connectivity in Alzheimer's disease.