
「モチーフ」とは何か?
サッカーのことはオフサイドがどういうものかもわからない位わかっていないのですが、それでもめまぐるしく移り変わるフィールドの状況を見ていると、相当に頭を使うスポーツなのかなと思ったりします。
この複雑なパターンをわかりやすく分析はないのでしょうか。
例えば三人の選手でボールを回すということがあると思います。
三人の選手で三角形を作り、その中でボールを回す。あるいは四人の選手で四角形を作り、その中でボールを回す。
例えば三人三角形や四人四角形の中でのパス回しというのは結構なパターンがあると思います。
いろんなパス回しのパターンを持った三角形、四角形をモザイクのようにフィールドに貼り付けていけば、複雑なフィールドのボールの流れもある程度解析できるのかも知れません。
今日取り上げる論文は、サッカーのフィールドの様に複雑なネットワークを持つ脳の構造を、基本的な構造である三角形、あるいは四角形の連結構造(構造学的モチーフ)に分けて考えたものです。
要約に出てくる機能的モチーフはひとつの構造学的モチーフが持ち得るパス回しのパターンのようなものだと思います。
高度に発達した脳というのは、構造学的モチーフを最小限にとどめて(六角形や九角形とかできるだけ作らないで)、機能的モチーフ(一つの形が持つパス回しのパターン)を最大にして、それを貼り合わせることで柔軟な変化とスモールワールド的な性質を作り上げていることが述べられています。
【要旨】
「脳は自らを高度に効率的なネットワークに進化させ、無数の状況に対応できるような連結構造を創りあげてきた。私たちは、神経解剖学的データから、この無数の連結構造の基本部分ともなる構築要素(機能的モチーフおよび構造学的モチーフ)を見出した。私達の仮説では、脳は構造学的モチーフの数を少ないままに留め、機能的モチーフのパターンを多くしているというものである。機能的モチーフをコストと捉え最適化アルゴリズムで検証したところ、このようなパターンはスモールワールド的な性質を持つことが明らかになった。このことからも高度に発達した神経系はその構造学的モチーフの数を少ないままに、機能的モチーフを最大化して効率的に情報を統合していることが考えられた。」
参考URL:
Motifs in brain networks.