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優れた組織はどのようなカタチをとっているか?

 

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すぐれた組織というのはどういう特徴を持っているのでしょうか。サッカーと病院組織を例にとって考えてみると

①情報伝達が迅速:(パス長の短さ)
病院だったら何かの有事の際には、数ステップでトップまで情報が届く。

反対にダメな組織だったら、トップまで情報が届くのにすごい時間がかかる。

サッカーだったらわずか数回のパスでゴール前までボールを運ぶことが出来る。

あんまり上手じゃないチームはなかなかボールをゴール前まで運ぶことができない。

※パス長について:

②情報伝達の流れがいろいろある。(機能的モチーフ)
サッカーで言えば、三人でパスを回すにしてもいろんなパターンがある。

あんまり上手じゃないチームだったら三人でのパス回しもワンパターンなのかもしれない。

職種間の連携がうまくとれている病院だったら看護師、セラピスト、ソーシャルワーカーの間で、上手なサッカーチームのパス回しのようにいろんな流れで、いろんなパターンで、情報のやり取りがなされる。

連携がうまくとれていない病院だったら、情報の流れが単線的でどっかで情報が止まって流れてこないということもあるかもしれない。

※機能的モチーフについて:

③複雑性
サッカーでいけば上手なチームは攻めるも守るも変幻自在でありとあらゆる攻守のパターンを試合で示す。

上手じゃないチームだったら攻め方も守り方もどっか単調なのかもしれない。

病院だったら、良い病院組織だったら簡単なケースから難しいケースまで、ありとあらゆる状態に柔軟に対応できる。

いまいちな組織であれば対応出来るケースの幅は狭い。

この上記の①、②、③を同時に成り立たせるのは難しくて、③の複雑性を高めようと思ってネットワークの枝を増やしすぎると①の情報伝達の速さが遅くなったりもします。

多すぎもしない、少なすぎもしない、ある程度の枝の密度のネットワークの時に上記の①、②、③を同時に成り立たせるそうです。

そんな時のネットワークの構造は入れ子構造のような④フラクタル性、⑤階層性を持った構造になるようです。

④フラクタル性について

⑤ネットワークの階層性について

今日取り上げる論文では、いろんな条件でシミュレーションを行った結果脳の構造というのは①から⑤の性質をもっているのではということが述べられています。

【要旨】

「大脳皮質における連結構造のパターンというのは局所的なコラム構造から全脳的な領域構造まで、様々な階層の神経細胞の集合がつながり合ってできている。この網の目のような構造から、脳のネットワークというのは自己相似的な形を保ちながら階層的に連結されているのではないかということが考えられる。このことを確かめるために様々なネットワークパターンについて、そのスモールワールド性に関わる様々な指標を用いて、コンピュータシミュレーションを行った。結果、機能的連結構造と解剖学的連結構造は密接に関わりあっていることが認められ、これらのシミュレーション結果は実際の神経解剖学的研究の結果と近似することが確かめられた。」

参考URL:
Small-world connectivity, motif composition, and complexity of fractal neuronal connections.

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