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「機能的脳ネットワークの実効性におけるワーキングメモリトレーニングの効果」

「世間は狭い」という言葉はよく聞きますが、この狭さというのは実際にはどれくらいのものなのでしょうか。

ネットワーク理論をめくっているとよく合うことばに6次の隔たりというものがあります。これは端的に言えば世界中どんなひとでも大体6人位でつなげば大抵の人とつながることができるということです。

これは例えばアメリカの大統領でもモルジブの漁師でもFacebookかなにかでつなげば友達の友達の友達という感じで大体6回位で連絡が取れるということです。

こういったネットワーク上のつながりやすさを専門用語でスモールワールド性というらしいのですが、今日取り上げる論文は脳のスモールワールド性について検証したものです。

実験では短期記憶課題と脳の中のネットワークについての関係を調べたのですが、短期記憶課題の成績が良いほど、つまり記憶力が良い人ほど脳の中のスモールワールド性が高く、また短期記憶課題を繰り返し行う中で脳の中のスモールワールド性が高くなることが示されています。

「頭の回転が速い」という言葉がありますが、この研究では記憶力といわゆる「回転の早さ」が関係が有ることが示唆されていて興味深いなと思いました。

ポイント

本研究では66名の被験者を対象に二重盲検法を用いて実験を行った。

対象者の半分は3種のワーキングメモリ課題を練習し、残りの半分は簡単なワーキングメモリ課題を行わせ、この2群の比較を行った。

脳活動については高密度脳波計を用いてトレーニングの前後で比較したところシータ波成分のみにワーキングメモリ課題との相関が認められた。

さらにこのシータ波成分を元に示された脳活動のネットワーク解析を行ったところワーキングメモリ課題の成績が高いほど、またワーキングメモリの成績が向上するほど分散的な前頭頭頂ネットワークが高いスモールワールド性を持つことが示された。

参考URL:

The effects of working memory training on functional brain network efficiency.

補足コメント

添付の動画は最初のころが数千年前の情報伝達、時代がつれて最後のほうが現在の情報伝達のような感じで見てもらえればと思います。

きっと私達は便利で危ない世界に住んでいるのかもしれません(´・ω・`)

 

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