
なぜ頭頂葉や前頭前野が大事なのか?
今日取り上げる論文は、脳の自発的な活動でみられる機能的な連結構造と実際の解剖学的連結構造についてマカクザルのデータを元に較べてみたものです。
黙っている時の脳の自発的な活動だけを見ていても、その脳の解剖学的な連結構造の大部分が分かること、
視覚や聴覚などいろいろなモダリティに対応する集合(クラスタ)があること、
そしてそのクラスタ同士を取り持っているのが、頭頂葉(7a野)と前頭前野(46野)の連絡ではないかということが述べられています。
【要旨】
「脳は何も刺激がない状態でも自発的に活動していることが知られている。この自発的な活動の下支えになっているのが、解剖学的な連結構造であると言われている。今回の研究ではマカクザルの皮質構造データを使ってコンピュータシミュレーションを行い、この安静時の自発的な活動で見られる機能的連結構造と解剖学的な連結構造を比較した。結果、両者には密接な関係があり、機能的連結構造から解剖学的連結構造について約80%の確率で推定できることが示された。」
参考URL:
Network structure of cerebral cortex shapes functional connectivity on multiple time scales.