抗パーキンソン病薬で脳のネットワークは変わるか?
この辺の仕組みやややこしくて未だによく覚えられないのですが、皮質と線状体、視床の間には運動や認知に関わる様々なループがあります。
パーキンソン病なんかだとドーパミンの回りをよくするようなお薬を服用して、上記のループがうまく回るようにすると思うのですが、
今日取り上げる論文では、ドーパミン伝達性を高めるような薬を飲んで認知課題を行っているときに実際にこのネットワークの機能的連結が高まっているのかについて調べたものです。
ドーパミン伝達性を高める薬剤を服用しているときには線状体と視床、線状体と前頭部を結ぶ経路に機能的連結性の増加が見られたそうです。
【要旨】
「皮質-線状体-視床システムは多くの実行機能に影響を与える回路で、様々な神経精神疾患ではこの部位の異常が見られる。今回健常な老人を対象にドーパミン作動薬を与えた時に、この皮質-線状体-視床システムの機能的ネットワークがどのように変化するのかについて調べた。実験ではドーパミン伝達性を向上させる薬剤と低下させる薬剤、無関係の薬剤の三種を投与して認知課題を行っている時の脳の活動を機能的MRIを使用し測定しネットワーク解析を行った。結果、ドーパミン伝達性を向上させる薬剤を投与した時には線状体を中心とするネットワークに連結性の増大が見られた。」
参考URL:
Dopaminergic drug effects on physiological connectivity in a human cortico-striato-thalamic system.