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視覚における皮質下経路と背側経路の関係とは?

今日取り上げる論文は、非意識的な注意反応について調べたものです。

ヒトはかならずしも意識して何かに注意を向けているわけではないようです。

例えばサッカーのような競技ではおそらく、ひとつひとつ意識して他のプレイヤーの動きをおってはいないのではないかと思います。極めて動的で情報量が莫大なあのような空間の中で上手にプレーできるというのは、多分に非意識的な情報処理が働いているからではないかと思います。

今日取り上げる論文はこの非意識的な視覚情報処理について調べた文献の総説になります。

結論を述べると

①視覚的な注意は並行する二つの経路がある。すなわち視覚野を通る皮質経路と視覚野を通らない皮質下経路である。

②視覚野を通らない皮質下経路は、非意識的な注意反応に関わる。

③視覚野を通らない皮質下経路は上丘を抜けて直接後部頭頂葉につながり、このことで背側経路に影響を与える。

④この視覚野を通らない皮質下経路は中脳上丘、扁桃体、視床枕で構成される。

ということだと思います。

仮説的なモデルを図示すると以下のようなものだと思います。

扁桃体

↑→→上丘→視床枕→→後部頭頂葉(空間処理)
↑ (皮質下経路)    ↑
網膜       (背側経路) ↑
↓         ↑
↓→→外側膝状体→一次視覚野→↑
(皮質経路)      ↓
(腹側経路)


側頭葉(意味処理)

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【要旨】

「本稿はボトムアップ型の注意と認知の乖離についての文献を概説するものである。特に認知閾下の刺激が空間注意に与える影響について調べたものと眼差しについての認知反応を調べた研究について議論を行う。これらの議論から、認知閾下の刺激を与えることでも、認知出来る刺激と同様に注意反応を引き出せることが考えられる。このような認知閾下の刺激による注意反応の変化は皮質下の網膜から視蓋にいたる経路によるものと考えられる。具体的なネットワークとしては上丘と視床枕、扁桃体によるものが、この認知閾下の注意反応に関わっていると考えられる。」

参考URL:Unconscious attentional orienting to exogenous cues: A review of the literature.

コメント
最近はどうにか人並みになったとは思うのですが、私も注意をうまく分散させるのは苦手でえらく苦労をしてきたのですが、まあよくいう周りが見えないというあれです。

経験的に意識的な注意を聴覚主体に切り替えると、割合まわりが見えるようになったような覚えがあります。
これはおそらく上記の図でいけば視覚の皮質経路が過剰に働いていて、周辺視野の注意に関わる皮質下経路が抑制されていた状況が
 聴覚に意識を向けることで、過剰な視覚の皮質経路が抑制されて皮質下経路の通りが良くなったせいかななどと考えました。
まあほんとかどうかはわかりませんが(´・ω・`)
人並みなんてしったことかと思います。
人生バンザイ\(^o^)/

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