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感情と記憶の関係とは?

今日取り上げる論文は感情と記憶の関係について調べたものです。

なにか怖いものを見れば扁桃体が活動するでしょうし、なにか楽しい思いをしている時にはそれに対応するような神経活動があると思います。

脳は上記の「いま、ここ」の情報処理に関わるだけではなく、過去のことを思い出したり、これから先のことを考えたりするときにも働くはずです。

今日の論文は悲しい記憶や怖い記憶、楽しい記憶の想起にともなって脳がどのように活動しているかについてなされた研究を総括したものです。

結論を述べると「いま、ここ」の情動処理も情動の想起も似たような活動が見られ、何かの情動を思い出している時というのは、脳の中でその時の情動をリプレイしているのではないかということが述べられています。

【要旨】

「何かを覚えようとしている時、あるいは何かを思い出している時には何らかの感情が付随するが、この学習や想起に伴う感情が長期記憶に影響を与えることが知られている。本稿は感情の想起に関する認知的また神経学的メカニズムについて調べた研究についての概説を行う。今まで行われた研究によると、感情的な想起に際し、扁桃体が海馬や前頭前野と連絡を持って重要な役割をはたすことが示されている。オンラインの情動処理に必要な神経領域は、情動記憶の想起にもまた影響を与えており、これは情動の想起というものは情動の再経験の形でなされるのではないかということが考えられた。」

参考URL:Retrieval of emotional memories.




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コメント

何かに腹を立てている時というのは、今現在何か癪に障ることが起きているわけではなく

腹がたったその時のことを繰り返し頭の中でリプレイし続けているだけなんだろうと思う。

何かを心配したり不安になったりということも、将来そうなったらどうしようという感情を先取りして経験しているだけで、今現在自分が危機にさらされているというのとはちょっと違うと思う。

昔のことを思い出してはくよくよしたり、これから先のことを考えては不安になったりワクワクしたり

こんなことをできる動物はきっとヒト科くらいで、

ネアンデルタール人とクロマニヨン人を大きく分かつ能力、ヒトの文化のもととなった能力だとも聞く。

でも時にこの過去や未来に生きてしまう能力、クヨクヨ、ウツウツする能力のせいで生きるのがしんどくなることもあるわけで

こういうのは諸刃の剣だなあと思います。

学生の頃通っていた喫茶店のおかみさんに「今飲んでる味噌汁がおいしかったらそれでいいじゃない」と言われたことがありますが

時に美味しい食事が人を幸せにするというのは、美味しい食事には過去や未来を浮遊してしまうニンゲンを「いま、ここ」に引き戻す力があるからかなあなどと思いました。

忙しい時でもご飯は大事にしたいと思います(*_*)

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