「反復k平均法を用いた連結性に基盤をおいた皮質分割性のグループ解析」
今日取り上げるテーマはややこしいです。なので興味のある方のみ読んでもらえればと思います。
何度も取り上げてきたように脳というのはネットワーク構造をとっています。
脳の中には視覚に関係する部分や聴覚に関係する部分、注意に関係する部分などいろいろあるのですが、いろんな部分がつながりあって大きい一つのシステムを作っています。
以下はあくまでたとえですが
記憶⇔運動⇔感覚
⇅ ⇅ ⇅
感情/情動
⇅
内臓感覚
みたいにいろんな部分がいろんな枝を伸ばしてネットワークを作っています。
それゆえ脳を知るにはこのネットワークの仕組を知ることが大事になるのですが、それを知る一つの方法として添付の画像のようにマトリックスを作る方法があります。
これは声優の共演関係について調べたものですが、こういったマトリックスを作ればだれがどれだけ顔が広いか(共演関係が多いか)がわかります。
この声優を世界の国際空港とお互いの乗り入れ回数に置き換えればどの空港が国際航空ネットワークの中心になっているかがわかるし、
このマトリックスを職場のメンバーと一日に交わした会話の回数に置き換えれば自ずと誰がネットワークの中心にいるかがわかります。
そしてこれを脳のいろんな部分と一緒に活動している回数というふうに置き換えれば自ずとどこの部分がネットワークの中心になっているかがわかります。
今日取り上げる論文はこういったネットワーク解析の方法について調べたものですが従来の方法だと結果にばらつきがあり最低でも数百回の繰返し演算が必要であることが述べられています。
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【要旨】
k平均法は拡散強調画像データを用いて皮質構造を理解するための一般的な方法になったが、この手法には一つ問題点がある。それは解析を行うタイミングでその結果が異なるのではないかという点である。今回10名の被験者を対象に行なった拡散強調画像データから得られた情報をもとに従来のk平均法と1000回の反復k平均法を比較しこの問題点の検証を行った。対象領域は皮質内側面の補足運動野、前補足運動野、島皮質とした。結果従来の方法では開始のタイミングによって結果にばらつきがあることが認められた。1000回の反復による方法ではこのようなばらつきは少なかった。これらの結果から最低256以上の反復処理が必要であることが考えられた。
参考URL :Group analyses of connectivity-based cortical parcellation using repeated k-means clustering.
コメント
アニメについてはドラえもんとトトロの区別がつく程度の知識しかありませんであしからずm(_ _)m
くわえて論文の内容については難しすぎて詳しいことは分かりませんでした(泣)
ただ島皮質と補足運動野、前補足運動野については密接なつながりがあるようで
これはひょっとしたら情動的身体表現(やわらかく腕を上げる、冷たい感じで手を伸ばす、悲しそうに手を下げる)に関係するのではないかと妄想しました。妄想であって根拠はないですm(_ _)m