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ミラーニューロンと動作の抽象化

歩行分析なんかの動画を見ていると、よくスティックピクチャーで示すものがありますが、なにもスティックじゃなくても、関節に取り付けたポイントを見る程度でも、どんな動きをしているか割に分かるんじゃないかと思います。

今日取り上げる論文は、点光の動きから動作を知覚するときにミラーニューロンシステムが働くことを論じたものです。

10個そこらの点の動きだけでは動作そのものがわかってしまうのは、ミラーニューロンシステムがその点の動きを自分の身体運動に落としこむことで足りない情報を穴埋めしているからではないか、

またミラーニューロンを持つサルといえども点光による動作の認識はできないことから、ヒトのミラーニューロンシステムは、サルのそれに比べても、より抽象的な情報の処理が可能なのではないかということが述べられています。

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要旨

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「何が動いているのか、またどんな動き方をしているのかを知るためには、動作を示唆するような手がかりが非常に有用である。動いている人間の関節に点光を取り付ければ、その人間が何をしているのか、はっきりと見て取ることが出来る。この点光の動きによる動作の知覚には脳の後部領域が関係することが知られている。一方、観察による動作の知覚には運動野と運動前野の活動が関与することが知られている。今回MRIを使用して、点光を観察させ、それがどのような動作なのかを知覚させている時の脳の活動を調べたところ、側頭葉の外側部および下部、前頭葉の下部領域に活動を認めた。点光による動きの知覚に前頭領域が関与していることから、この前頭領域にある運動領域が活動することで、点光による簡略な動きの情報の不足部分を穴埋めしているのではないかということが考えられた。」

参考URL:Point-light biological motion perception activates human premotor cortex.


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