
デフォルトモードネットワークの中核領域とはどこか?
デフォルトモードネットワークというのは何にもしていない時の脳の働きに関わるような領域のようです。
何にもしていないから全然活動していないかというとそんなこともなく、これは車で行けばアイドリングがかかっているような状態で、それがただのアイドリングではなく、F1マシンのように、もう次の瞬間にはトップギアで突っ走れそうなくらいの出力でギンギンでブルンブルンいっている、そういった状態のようです。
ではこのデフォルトモードネットワークというのは脳のどこにあるかというと、主には脳の内側面、右脳と左脳がピッタリとくっついているあたりなのですが、今日取り上げる論文はこのネットワークが具体的にどういったつながりで成り立っているかということについて調べたものです。
結論からいうといちばんの肝になるのは後帯状皮質(PCC)と言われる領域のようです。
この領域は背側視覚経路とも結びついて外界の情報にアンテナを張るような役割があるようです。
次に大事なのが腹側前帯状皮質(dACC)といわれる領域のようです。
この領域は記憶・情動系と強い結び付きがあるようです。
この後帯状皮質と腹側前帯状皮質ががっちり結びついてデフォルトモードネットワークの中心になっているようです。
図で書くとこんな感じでしょうか。
(記憶情動系)―腹側前帯状皮質―後帯状皮質―(外界認識系)
この二つの領域というのは共に内側前頭前野と前頭眼窩野が繋がっており、図で書くとこんな感じになっているようです。
(記憶情動系)―腹側前帯状皮質―後帯状皮質―(外界認識系)
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内側前頭前野・前頭眼窩野
(外界認識と記憶・情動の統合)
デフォルトモードネットワークというのはこういった領域の連結によって構成されており、その中でも後帯状皮質がネットワークのいちばんの肝になっているのではないかということが述べられています。
【要旨】
安静時の脳において、後帯状皮質と前帯状皮質腹側部に高い活動があることが知られている。今回の研究では認知課題を行わせている時と安静時の脳の活動の相違を調べ、この後帯状皮質と前帯状皮質腹側部の活動がどう変化するかについて調べた。結果、認知課題を行っているときには前頭前野外側部の活動が増大し、それに逆相関して後帯状皮質と前帯状皮質腹側部の活動が低下していた。
参考URL:Functional connectivity in the resting brain: a network analysis of the default mode hypothesis.