ホームが強いヒト、アウェイが強いチンパンジー
スポーツなんかだとホームとアウェイという言葉もありますが、人間というのは基本的には応援してくれる人がいたほうがパフォーマンスが高くなるのかなと思うことがあります。
かと思えば逆境のほうが強い人というのがいないわけでもない。
周りは敵だらけ。
守ってくれる人も応援してくれる人もいない。
そんな状態の方がより高いパフォーマンスが出来る人というのもいないわけではない。
一代ドッコで会社を築き上げた経営者、乱世に名を上げるような人物というのは、敵だらけの環境のほうが本来の実力を発揮できそうな気もします。
今日取り上げる論文はチンパンジーの認知課題について調べたものですが、協力(応援)してくれる人がいる環境と、攻撃し奪いあう関係にある人がいる環境で、認知能力がどう変わってくるかについて調べたものです。
結論を述べると、チンパンジーの認知パフォーマンスは競争者がいる環境のほうがより協力者がいる環境よりも高い認知パフォーマンスを示すそうです。
チンパンジーにサッカーをさせたらアウェイのほうがかえってよい成績になるのかななどと考えました。
「一連の4つの実験でチンパンジーは協力者がいる時と競争者がいる時の両方で認知課題を行った。結果、競争者がいる時のほうがより高い成績を示した。チンパンジーの認知的発達は社会環境的な文脈で理解できると思われる。」
参考URL:Chimpanzees are more skillful in competitive than cooperative cognitive tasks.
コメント
一人では仕留められない獲物も、協力し合えば仕留めることができる。ナウマン象にしても熊にしても。
会社や組織で何か仕事をするのも、原始人が集団でナウマン象を仕留めるのも、大枠としては一緒だと思うのだけれども
ヒトが巨大な獲物を仕留められるようになったのはどのタイミングだったのだろうかなと思ったりします。言葉を獲得してからなのか、言葉獲得以前の原-言葉状態の時なのか
いずれにしても協力して何かを成し遂げるというのは頭を使いそうで
小学校低学年の頃の陣取りみたいな遊びは、社会性を養うゲームみたいなものだったんだろうか。幼稚園ではやらないし、小学校高学年でもやらないし
小学校低学年くらいが社会脳の発達の肝になる時期なんだろうか。
ふと思い返せば陣取りが苦手な子でした(-_-;)
一歩引いたところからみんなを見るのは、陣取り遊びが苦手だったのもあるのかなと思ったりします(-_-;)
発達は定型的でなくても良いと思います(-_-;)
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