
デフォルトモードネットワークとミラーニューロンはどう違うのか?
私達の脳は迷い凧に似ています。
よっぽどしっかりしていないと、ついふらふらと余計なことを考えて空をさまよってしまいます。
明日のことや昨日のこと、あるいは勝手に人の心の中を妄想したりして、ひょっと手を離すと時空の彼方に飛んでいってしまうと思うのですが、これはいったいどういうわけでしょうか。
脳の中にはシミュレーションに関わるネットワークがあるとされています。
これはデフォルトモードネットワークとも言われているのですが、右脳と左脳がくっついているような部分で表面からは見えないところにあり、この領域がシミュレーション全般に関わるとされています。
図のようにpast(過去)とfuture(未来)の両方を考えている時に、同じような領域が活動しています。
上図参考URL:https://lh3.googleusercontent.com/Bn9boe2JpCHrZ1hiEFNKoCRt_gcYSRttMIulFB30u6Yw3swu63f9X3Fyn0If-5Ty3vW--g=s134
これとは別に身体情報のマッピングに関わるようなネットワークもあるとされています。
ミラーニューロンネットワークとも言われているのですが、これは他人が動きを自分の動きに落としこむようなはたらきがあるそうです。
このミラーニューロンネットワークがあるおかげで相手のふとした動作から相手が何をしようとしているか分かったり、あるいはボクシングを観戦していると、ついついからだがぴくぴくしてしまうということがあるようです。
今日取り上げる論文はこの二つのネットワークについて述べたものですが、デフォルトモードネットワークは心の理解に関わって、ミラーニューロンネットワークというのは身体の理解に関わるのではないかということが述べられています。
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【要約】
近年の研究によりの脳には自己と他者を表象する二つの大きなネットワークがあることが示されている。前頭―頭頂領域のミラーニューロン領域は自己と他者の身体的なギャップを埋める役割を果たしており、皮質中央にある領域は自己と他者におけるより抽象的な理解に関わっているとされている。この二つのシステムを考えると自己と他者というのはコインの両面であり、さらなる研究が望まれる。
参考URL:The self and social cognition: the role of cortical midline structures and mirror neurons.
コメント
これはどっちがどっちとも言えないような気がする。
シミュレーションというのはきっと記憶の断片をもとにして行うはずだから
記憶の断片を蓄積するにはマッピング脳がなければいけないし、
うまくいえないけど
シミュレーション脳⇆マッピング脳
⇅ ⇅
記憶関連領域
みたいな三つ巴の構造になってそうな気がします。